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「防共」と「抗日」をめぐる葛藤日中全面戦争に至る中国の選択1933-1937

日中全面戦争に至る中国の選択1933-1937 「防共」と「抗日」をめぐる葛藤

鹿錫俊:著
A5判 336ページ
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-13-036289-4 C3031
奥付の初版発行年月:2025年01月 / 発売日:2025年01月上旬

著者プロフィール

鹿錫俊(ロクシャクシュン)

大東文化大学国際関係学部教授(東アジア政治・国際関係)
1955年生まれ。1991年中国復旦大学大学院歴史・国際政治学研究科博士課程修了(1993年博士学位取得)、1995年一橋大学大学院法学研究科博士課程修(1998年博士学位取得)。一橋大学法学部助手、島根県立大学総合政策学部助教授、教授を経て2005年より現職。著書は『中国国民政府の対日政策1931-1933』(出版会、2001年)、『蔣介石の「国際的解決」戦略1937-1941』(東方書店、2016年)、『日中戦争とは何だったのか』(共著、ミネルヴァ書房、2017年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論
1.本書の目的/2.本書の対象時期と構成/3.本書の方法/4.資料とその運用/5.本書の意義/結び

第1章 前史:国民政府誕生後の対日・対ソ関係(1927~1932)
1.ジレンマによる対ソ敬遠方針/2.中ソ国交回復の裏表/3.特殊構造の背景と影響/結び

第2章 二重外交の形成と「制露攘日」構想の始動(1932.10~1934.12)
1.「ソ連利用」策の浮上/2.ソ連との関係の冷却/3.米ソ国交樹立の波紋/4.「対ソ接近」論の台頭と汪精衛の反対/5.蔣介石の日中ソ関係観と「制露攘日」構想/6.日ソ相互牽制戦略の試行/結び

第3章 華北事変前後における中日ソ関係の転換(1935.1~12)
1.1935年初頭の対日親善の背景/2.日本の蔣介石認識とその当否/3.華北問題をめぐるソ連カードの利用/4.磯谷対案の衝撃と「連ソ制日」論の高揚/5.蔣介石の新しい対日提案/6.日本の回答とソ連側新政策の判明/7.対ソ提携と対日抗戦への転換/結び

第4章 何鍵密告,ソ蒙協定と1936年の激動(1935.12~1936.12)
1.陳立夫の回想に見る極秘の旅/2.中ソ関係に関する日本側の観測/3.湖南省主席何鍵の密告/4.日中間の平穏の裏の中ソ関係の悪化/5.日本の対蔣不信とソ連の観察/6.「共同防共」をめぐる日中の相克/7.日独防共協定の影響/結び

第5章 中ソ「絶対密件」に至る駆け引き(1936.12~1937.8)
1.西安事件による「共同防共」問題の本格化/2.国民政府における「連ソ容共」の実相/3.中ソ関係の再度の冷え込み/4.心理的葛藤と全面戦争の勃発/5.中ソ「絶対密件」と「共同防共」問題の決着/結び

第6章 「防共」概念をめぐる日中間の攻防(1937.8~9)
1.中ソ不可侵条約に対する日本の非難/2.日本に対する国民政府の反論/3.「防共」をめぐる日本の政策の虚実/4.「防共」をめぐる中国の「正用」と「逆用」/結び

第7章 日独ソをめぐる路線対立の展開と終焉(1937.8~1938.1)
1.「外交方略」の不発と「疑ソ依独」論の台頭/2.「反共」執念の復活と別ルートの模索/3.「以独促ソ」と「依独講和」の交叉/4.日本の行動と中国の路線対立の終焉/結び

結論
1.「抗日」と「防共」に関する国民政府の思惑/2.中国の抗日戦突入とソ連の意向との関連/3.ソ連の参戦拒否と国民政府の対日姿勢との関連/4.国民政府の路線対立の終焉/5.1937年の「曲線」と教訓


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