グローバリゼーションと基軸通貨 ドルへの挑戦
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-13-040287-3 C3031
奥付の初版発行年月:2019年07月 / 発売日:2019年07月下旬
ユーロ導入や世界金融危機により世界経済が進化しつつ動揺する中,ドルの地位は安泰なのか.国際経済における基軸通貨の力を再検証すると同時に,ユーロや円がドル体制に与えた影響を分析し,東アジアの経済発展がドル依存からの脱却に繋がる可能性を考察する.
小川 英治(オガワ エイジ)
一橋大学大学院商学研究科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第I部 国際経済における基軸通貨の力
第1章 基軸通貨米ドルの慣性――ドルの効用と通貨競争の可能性(小川英治)
1. はじめに
2. ブレトンウッズ体制崩壊後の基軸通貨米ドル
3. ガリバー型国際通貨制度と基軸通貨米ドル
4. 基軸通貨実証分析のための理論モデル
5. 基軸通貨米ドルの慣性に関する実証分析
6. 実効的な通貨競争の可能性
7. おわりに
第2章 ドルとの通貨代替と国際金融のトリレンマ――ドル化の進展と金融・通貨システムの関係性(熊本方雄)
1. はじめに
2. 通貨代替の現状
3. 通貨代替のモデル
4. 通貨代替と金融政策の独立性の関係
5. 通貨代替と為替相場の関係
6. 通貨代替と固定相場制度
7. おわりに
第II部 ユーロ・円の国際化によるドル体制への影響
第3章 国際通貨としてのユーロの位置づけ――ユーロはドルに挑戦できるのか?(高屋定美)
1. はじめに
2. 国際通貨の役割とシナジー効果
3. 国際通貨の理論――国際通貨形成の複数均衡の可能性とユーロの基軸通貨への可能性
4. 基軸通貨交替の歴史的事例――ポンドからドルへ
5. ユーロの国際的役割
6. ユーロの国際通貨への意志と信頼
7. おわりに
第4章 円の国際化政策と貿易建値通貨の選択――日本の産業別・商品別輸出の建値通貨シェアの推定(佐藤清隆)
1. はじめに
2. 円建て貿易の推移と円の国際化政策
3. 貿易建値通貨比率の推定方法
4. 産業別の円建て貿易の推移
5. おわりに
第5章 安全通貨としての円とドル――ファンダメンタルズから不確実性へ(増島雄樹)
1. はじめに
2. 安全通貨とは何か
3. 安全通貨,リスクイベントと金融政策
4. 安全資産としてのドルと代替資産
5. おわりに
第III部 東アジアの経済発展とドル依存からの脱却
第6章 貿易建値通貨としての人民元の国際化――東アジア諸国の通貨体制に与える影響(清水順子)
1. はじめに
2. 人民元の国際化の概要と成果
3. 日本企業からみた人民元取引の現状と課題
4. 人民元の国際化がアジアに与えた影響
5. おわりに
第7章 東アジアにおける経済統合の進展と基軸通貨ドル――「アジア域内金融システム」の可能性(川﨑健太郎)
1. はじめに
2. 東アジアにおける経済統合の進展
3. 東アジアは「最適通貨圏」か?
4. 新しい金融技術の登場がアジアの経済・金融の統合に及ぼす影響
5. おわりに
第8章 アジア地域通貨協力への展望――アジア通貨危機の教訓と各国通貨制度の課題(赤羽 裕)
1. はじめに
2. アジア通貨危機とその原因――ドル依存体制の問題点
3. 危機後の通貨・金融協力の概要
4. 現在のアジアの通貨制度と最近の動き
5. ドル依存脱却に向けた展望と施策
6. おわりに
終 章 基軸通貨ドルへの挑戦(小川英治)
1. はじめに
2. 基軸通貨米ドルの慣性――ドルの効用と通貨競争の可能性
3. 通貨代替と国際金融のトリレンマ――ドル化の進展と金融・通貨システムの関係性
4. 国際通貨としてのユーロの位置づけ――ユーロはドルに挑戦できるのか?
5. 円の国際化政策と貿易建値通貨の選択――日本の産業別・商品別輸出の建値通貨シェアの推定
6. 安全通貨としての円とドル――ファンダメンタルズから不確実性へ
7. 貿易建値通貨としての人民元の国際化――東アジア諸国の通貨体制に与える影響
8. 東アジアにおける経済統合の進展と基軸通貨ドル――「アジア域内金融システム」の可能性
9. アジア地域通貨協力への展望――アジア通貨危機の教訓と各国通貨制度の課題
10. おわりに
Globalization and the Key Currency:
Challenge to the Dollar
Eiji OGAWA, Editor