企業のアーキテクチャー コーポレートガバナンス改革のゆくえ
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-13-040306-1 C3034
奥付の初版発行年月:2022年05月 / 発売日:2022年05月下旬
企業を仕組み(アーキテクチャー)とみて、近年のコーポレートガバナンス改革の意味と課題、そして制度や政策が頻繁に変化する近年の状況のなかでの企業活動のあり方について、法制度と財務の両面から、また理論と実務の両面から、わかりやすく説明する。最新の学術的な動向と、実際の事例を盛り込み、初学者から実務家まで幅広く活用できる。
朝岡 大輔(アサオカ ダイスケ)
明治大学大学院商学研究科准教授、 京都大学経営管理大学院客員准教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序文(神田秀樹)
はじめに
第1章 コーポレートガバナンス改革
1 企業とは何か
企業の成立
コーポレートガバナンス
2 所有と経営の分離
エージェンシー問題
法制度の差異
トレードオフ
3 コーポレートガバナンス・コード
資本コスト
株主の保護
第2章 資本コストは目に見えない
1 資本コストとは何か
資本コストの相対性
事業戦略との関係性
資本コストの把握
WACCとは何か
2 将来の期待の意味
人間の判断
3 資本コストと価値
利益とキャッシュフロー
経済利益
日本企業の流動性
4 資本コストと利益指標
ROEとTSR
リスクの評価
第3章 企業と投資家の間の綱引き
1 株主は企業の所有者か
株主提案権
株主還元の権利
企業の目的
2 企業と株主を巡るルールの対立
株主代表訴訟
大量保有報告制度
公開買付け(TOB)ルール
買収防衛策
議決権の加重
ラポルタらの研究
利益相反取引
日本における事例
べブチャックとリプトンの論争
フリードマンの主張を巡る対立
機関投資家の行動
3 株主と企業戦略
銀行の影響力
ファンド
インデックス投資
エンゲージメント
コモン・オーナーシップ問題
4 アクティビズム
事業分離の主張
企業の範囲
企業の範囲を巡る判断
日本の経験
敵対的買収を巡る攻防
5 集合行為の問題
分散保有下の決定
議決権の行使助言
第4章 資本コスト経営は両刃の剣
1 測るものだけを手にできる
企業の成長
評価と尺度
コモンセンス
2 資本コスト経営の成功と失敗
成功事例(1)テスラ
成功事例(2)ホンダジェット
失敗事例(1)東芝
失敗事例(2)セラノス
3 幸福感への影響
金銭の軸と心理の軸
第5章 人々の多様性・創造性と金融市場
1 人々の多様性・創造性
集合知
女性の活躍
2 企業と株主の変化
株主の変化
人々の移動
3 組織を人々に合わせる
スプリットオフ
心理への影響
組織からネットワークへ
アーキテクチャーの脱構築