発達する自己の虚構 教育を可能とする概念をとらえ返す
牧野 篤:著
A5判 320ページ
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-13-051362-3 C3037
奥付の初版発行年月:2022年01月 / 発売日:2022年01月上旬
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-13-051362-3 C3037
奥付の初版発行年月:2022年01月 / 発売日:2022年01月上旬
内容紹介
多様性が語られつつ、学校では規律・訓練が止まらず、働ける高齢者が「サクセスフル」だとされる。公平が叫ばれながら、格差を被る主体たちは競争に駆り立てられる。著者の「違和感」は、産業社会の価値である発達概念の省察へと向かう。その再検討で浮かび上がる、別の〈わたし〉とその繋がりの予兆とは。
著者プロフィール
牧野 篤(マキノ アツシ)
東京大学大学院教育学研究科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに――自己に憑りつかれた私
第1章 〈いま〉の継起としての自己――再帰的ならざる人々の社会
序 問い返される主体
1 高齢者の社会参加論をとらえ返す
2 近代の再帰性と高齢者の発達
3 再帰性のほころびと〈主体〉
4 〈コミュニケーション〉としての存在
結 〈いま〉の継起としての自己
第2章 発達する自己の論理――近代資本制社会における人格の一般理論
序 近代資本制社会における自己
1 商品
2 資本
3 工場
4 拡大再生産
5 事後性と対自性
結 一貫した自己の論理
第3章 〈あいだ〉に生成する運動としての自己――対話の贈与によるものづくり
序 生産と自己へのまなざし
1 勤勉の解体と自己意識の変容
2 自己表現の運動
3 個人か、社会か
4 言語と貨幣
結 〈ことば〉と贈与
むすび 〈わたし〉に贈与される自己