科学的助言 21世紀の科学技術と政策形成
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-13-060316-4 C3040
奥付の初版発行年月:2016年08月
近年,ますます多くの政策分野で科学的根拠に基づく助言が不可欠になり,関連の議論が世界的に進んでいる.食品安全,医薬品審査,地震予知,地球温暖化などの事例を紹介しつつ,科学と政治・行政のよりよい協働に向け,科学的助言の課題と今後の展望を示す.
目次
はじめに
序 章 現代社会と科学的助言
1 科学的助言の歴史的背景
2 科学的助言とは
3 まとめ——科学と政治・行政のエコシステムの構築
第I部 科学的助言の現状と論点
第1章 科学的助言者の役割
1 リスク評価者としての側面
2 科学的助言者像の一般論
3 まとめ——科学的助言者の独立性確保という課題
第2章 科学的助言のプロセスと原則
1 科学的助言の原則
2 科学的助言の4段階のプロセス
3 重要性を増しつつある課題
4 まとめ——OECDによる科学的助言のチェックリスト
第3章 各国の科学的助言体制とグローバル化
1 各国の科学的助言組織の歴史と現状
2 科学的助言のグローバル化
3 まとめ——システム・オブ・システムズの形成に向けて
第II部 科学的助言の事例
第4章 食品安全——リスク評価の独立性をめぐる課題
1 食品分野の行政組織
2 BSE検査
3 放射性物質を含む食品のリスク管理
4 まとめ——求められるコミュニケーションと相互理解
第5章 医薬品審査——多様なステークホルダーの関与
1 科学的助言システムの成り立ち
2 利益相反の背景と事例
3 科学的助言体制の改革に向けた議論
第6章 地震予知——科学の不確実性への認識と対応
1 科学的助言体制の整備
2 地震災害への対応の方針転換
3 まとめ——科学の意味や限界を伝える役割と責任
第7章 地球温暖化——国際的な科学的助言体制の構築
1 科学的助言体制の成立
2 科学に基づく政治的合意——京都議定書
3 構造的問題の露呈
4 まとめ——国際政治の現実と科学的助言の役割
第8章 科学技術イノベーション政策——強まるエビデンス志向
1 助言体制の進化
2 科学技術基本計画を支えるエビデンス
3 科学技術イノベーション政策のための科学
4 まとめ——エビデンスの体系化と高度化への期待
終 章 21世紀の科学技術の責務と科学的助言
1 20世紀の反省と21世紀の新しい価値
2 今後の科学的助言の方向
3 行動の提案
特別寄稿 科学的助言における科学者の役割
1 科学者へのメッセージ
2 科学者の役割
3 助言者としての科学者のあるべき姿
付録(年表,略語一覧)
索引
著者紹介
【English title】
Scientific Advice : Science, Technorogy, and Policy Making in the Twenty-First Century