菅原道真と平安朝漢文学
A5判 440ページ
価格:8,800円 (消費税:800円)
ISBN978-4-13-080064-8(4-13-080064-7) C308
奥付の初版発行年月:2001年05月
価格:8,800円 (消費税:800円)
ISBN978-4-13-080064-8(4-13-080064-7) C308
奥付の初版発行年月:2001年05月
内容紹介
文章経国思想を背景とする嵯峨期の漢詩文の隆盛は,承和朝を転換期として「詩人無用論」にいたる.菅原道真の栄光と没落を,中国文化が「日本化」し,文化と政治が連動した時代の変遷のなかにとらえ,道真の詩人としての本質,その比喩的表現の古今集へとつながりなどを,平安朝の文学史に位置づける.
目次
I 嵯峨朝の漢文学
1 嵯峨朝の政治文化と勅撰三集
2 吏隠兼得の思想
——勅撰三集と精神的基底——
II 転換期としての承和期
1 小野篁の文学
2 文章経国思想から詩言志へ
——勅撰三集と菅原道真——
3 承和以前と以後の王朝漢詩
4 円仁の『入唐求法巡礼行記』
III 菅原道真の詩と思想
1 詩人鴻儒菅原道真
2 詩人の倫理
3 道真・長谷雄・清行
4 比喩と理知
——菅原道真の詩の表現——
付篇 1菅原道真要語集
2菅原道真研究史
IV 王朝漢文学の展望
1 王朝漢文学の歴史社会的基盤
——中国との比較を視座として
2 世路難と風月
3 公卿日記と漢文学
——『権記』を中心に——
4 天神信仰を支えたもの
5 日本文学史における白居易と源氏物語