学生のためのExcel VBA
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-501-53600-8(4-501-53600-4) C3004
奥付の初版発行年月:2003年03月 / 発売日:2003年03月上旬
例題・演習形式で解説しテキストや自習書に最適
現在,ほとんどの職場において,パソコンは一人一台の時代となり,パソコンを使えないと仕事ができないようになってきた.職場でパソコンを利用するとき,もっともよく利用されるものがインターネットとアプリケーションソフトExcelである.
Excelは表計算機能のほか,データベース機能やグラフ作成機能などを持つ統合型のソフトウェアである.このためExcelの使い方をマスターするだけで,かなりのデータ処理ができるようになる.また,Windows上で動作するWord,Access,PowerPointなどのアプリケーションソフトのデータとの連携も容易にできる.
このようにExcelは,非常に優れたソフトではあるが,キーボードとマウスによる操作だけでは限界があり,条件により処理の流れや手順を変えたり,類似の処理をデータを変えて繰り返し行うなどの複雑な処理はできない.このような処理を可能にしたものが,Visual Basic for Applications(略してVBA)である.
Excelには,キーボードとマウスによる操作を自動的に記録しておき,マウスでクリックすることにより同じ操作を簡単に行うマクロ機能がある.マクロ自体はプログラムとなっている.しかし,自動記録で作成されたマクロでは,キーボードとマウス操作によりできる処理しかできない.
VBAは,自動記録によるマクロを発展させたものである.Excelによる処理をプログラム化して,キーボードとマウスによる操作ではできない処理を行うようにするとともに,オリジナルなダイアログボックスやツールバーなどを作成し,操作を簡単にして,Excelに関する経験が浅い人でも容易に複雑な処理ができるようにしたのが特徴である.したがって,VBAをマスターすることにより,Excelの活用の幅が広がることになる.また,ExcelによるVBAの知識は,ほかのアプリケーションソフトのマクロを作成するときにも活用できる.
VBAにも多くの便利な機能があるが,限られた授業時間の中で,これらの機能のすべてを学習するのは困難であり,またその必要もない.本書では,必要度の高い項目を精選した.これだけ学習しておけば,日常のデータ処理において困ることはほとんどないと思う.なお,本書はExcelについての一通りの知識があることを前提として記述してある.したがって,Excelの知識がない方はまず,Excelについて学んでから本書を読んでいただきたい.
本書により,Excel VBAを学習し,Excelを一層活用できることを期待している.
最後に,本書の執筆を勧めていただいた東京電機大学出版局編集課長の植村八潮さん,およびいろいろな助言をいただき編集の労をとっていただいた松崎真理さんに感謝の意を表したい.
平成15年2月
目次
第1章 マクロとVBA
1・1 マクロとVBA
1 マクロ
2 VBA
1・2 自動記録によるマクロの作成と実行
1 マクロの作成方法
2 マクロの実行方法
1・3 マクロの保存・呼び出し・削除
章末問題 1
第2章 VBAによるマクロの作成
2・1 VBEの起動・画面構成・マクロの修正
1 VBEの起動・表示
2 Visual Basic Editorの画面構成
3 マクロの修正
2・2 簡単なマクロの作成
1 コードの入力
2 マクロの実行と保存
2・3 マクロのコード
2・4 オブジェクトからのマクロの実行
1 ボタンの表示
2 マクロの登録
3 ボタンの編集
章末問題 2
第3章 VBAの基礎事項
3・1 オブジェクト・コレクション・メソッド・プロパティ
1 オブジェクトとコレクション
2 メソッドとプロパティ
3・2 プロジェクトとモジュール
1 プロジェクト
2 モジュール
3・3 プロシージャの構造
1 プロシージャとプロシージャの種類
2 Subプロシージャの構成
第4章 VBAプログラミングの基礎
4・1 変数の使い方と計算
1 コードと説明
2 定数・変数・変数名
3 データ型と型宣言
4 計算式の書き方と演算子
4・2 セルの選択とコピー
1 コードと説明
2 セルの絶対参照
3 セルの相対参照
4 セルまたはセル範囲のコピーと移動
4・3 条件による分岐
1 1つの条件による分岐 If...Then...Else...End Ifステートメント
2 セルのフォントの設定
3 Withステートメント
4 複数の条件による分岐 If...Then...Elself...Else...End Ifステートメント
5 条件が多いときの分岐 Select Caseステートメント
4・4 処理の繰り返し
1 Do While...Loopによる処理の繰り返し
2 Do...LoopとExit Doステートメント
3 For...Nextステートメント
4 二重の繰り返し
4・5 イベントプロシージャとSubプロシージャ
1 イベントプロシージャとSubプロシージャ
2 引数を使ったSubプロシージャ
4・6 配列
1 一次元配列
2 配列とArray
3 二次元配列
章末問題 4
第5章 ユーザーインタフェース
5・1 メッセージボックス
1 メッセージボックスの表示
2 MsgBox関数を使った分岐処理
5・2 簡単なユーザーフォームの作成
1 ユーザーフォームの作成
2 ラベルの表示
3 テキストボックスの作成
4 コマンドコントロールの作成
5 ボタンにイベントプロシージャを記述する
マクロの実行
5・3 項目の選択を使ったユーザーフォームの作成
1 オプションボタンの使い方
2 コンボボックスの使い方
3 チェックボックスの使い方
4 スピンボタンの使い方
章末問題 5
第6章 シートとブックの取り扱い
6・1 ワークシートの取り扱い
1 シートの追加とシート名の変更
2 シートのコピー
6・2 ブックの取り扱い
1 ブックのデータのコピー
2 シートのデータの集計
章末問題 6
第7章 知っていると便利な機能
7・1 ワークシートの印刷
1 各班シートの印刷
2 集計シートの印刷
3 ページと印刷の設定
7・2 関数の利用
1 合計・平均・順位を求める SUM・AVERAGE・RANK関数
2 表の検索 VLOOKUP関数
3 データベース関数の使い方 DAVERAGE関数
7・3 ピボットテーブルによる集計
1 ピボットテーブルの作成
2 VBAによるピボットテーブル
7・4 データベース
1 並べ替え
2 オートフィルタによる抽出
3 フィルタオプションによる抽出
7・5 グラフの作成
1 学生別成績表の作成
2 グラフの作成
3 印刷
7・6 オリジナルツールバーの作成
1 マクロの作成
2 ツールバーの作成
3 ツールバーの保存
4 オリジナルツールバーの自動表示と自動削除
章末問題 7
第8章 デバッグとエラー処理
8・1 VBAのエラー
1 構文エラー
2 実行時エラー
3 論文エラー
8・2 デバッグの方法
1 ブレークポイントの設定
2 ステップインによる実行
3 ローカルウインドウの利用
4 ウォッチウインドウ
8・3 エラーメッセージの表示
章末問題 8
索引
関連リンク
・ダウンロード:例題と章末問題のデータ