ライプニッツ読本
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-588-15066-1 C1010
奥付の初版発行年月:2012年10月 / 発売日:2012年10月上旬
哲学のみならず、多方面にわたる知の領域で画期的な仕事を残した天才ライプニッツ。その独創性あふれるアイディアはどのように生みだされたのか。神学、数学、自然哲学、言語論、保険・年金論、図書館学、中国学など個別分野での活躍をはじめ、同時代のライバルたちとの対決、現代思想の展望からみたアクチュアリティを一冊に凝縮し、研究の過去・現在・未来を多様に映し出す初の総合的論集。
酒井 潔(サカイ キヨシ)
1950年生。学習院大学文学部哲学科教授。哲学専攻。著書:『世界と自我』(創文社)、『ライプニッツ』(清水書院)、共編著:『ライプニッツを学ぶ人のために』(世界思想社)。
佐々木 能章(ササキ ヨシアキ)
1951年生。東京女子大学現代教養学部教授。哲学専攻。著書:『ライプニッツ術』(工作舎)、訳書:『弁神論』(『ライプニッツ著作集』6・7巻、工作舎)。
長綱 啓典(ナガツナ ケイスケ)
1975年生。帝京大学総合教育センター専任講師。哲学専攻。著書:『ライプニッツにおける弁神論的思惟の根本動機』(晃洋書房)。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
編者まえがき
座談会 ライプニッツ研究のこれまで、いま、これから
(酒井潔+佐々木能章+谷川多佳子+林知宏+山内志朗+米山優 司会:長綱啓典)
第Ⅰ部 ライプニッツの思想と実践
神義論(弁神論)の問い──ライプニッツとルター(江口再起)
ライプニッツと神──カトリック教会の信仰理解に照らし合わせた場合(長町裕司)
ライプニッツの中国哲学研究──宣教論から哲学的普遍へ(堀池信夫)
ライプニッツの自然法学──義務の拘束性の起源(長綱啓典)
ライプニッツの正義論──社会的公正の政治哲学(酒井潔)
ライプニッツの自然哲学──『動力学試論』に見られる力と運動(犬竹正幸)
ライプニッツの地質学──『プロトガイア』再考(谷本勉)
数学の哲学としてのライプニッツ哲学──幾何学・記号・想像力(稲岡大志)
ライプニッツの保険・年金論(佐々木能章)
ライプニッツの図書館活動 (田山泰三)
ライプニッツによるドイツ語改良のシナリオ──思想史と言語史との交点(高田博行)
ライプニッツの心理学──「表象」と「微小表象」を中心にして(清水洋貴)
第Ⅱ部 同時代の哲学者たちとの対決
ホッブズとライプニッツ──思考と言語の関係をめぐって(伊豆藏好美)
デカルトとライプニッツ──ライプニッツはデカルトとどのように対決したのか(村上勝三)
アルノーとライプニッツ──神の自由と実体(山田弘明)
スピノザとライプニッツ──世界の不透明性について(上野修)
マルブランシュとライプニッツ──予定調和の比喩における枚挙の完全性を中心に(依田義右)
ロックとライプニッツ──観念と人格の記号性(岡部英男)
ニュートンとライプニッツ──「天才の世紀」が育んだ歴史の皮肉(松山壽一)
第Ⅲ部 別のパースペクティヴからみたライプニッツ
現代文学から見たライプニッツ──サミュエル・ベケットの形而上学批判(森尚也)
ニーチェからみたライプニッツ──弁神論を欠いたモナドロジーの行く末(本郷朝香)
微小表象と受動的綜合──フッサールのモナド論的現象学の方向づけ(山口一郎)
現代論理学から見たライプニッツ──概念論理から義務論理まで(三平正明)
現代形而上学とライプニッツ──存在論的観点から見た類似と対立(松田毅)
日本の哲学からみたライプニッツ──後期西田哲学の中での転回に即して(板橋勇仁)
コンピュータからみたライプニッツ(黒崎政男)
日本語で読めるライプニッツ──ライプニッツ日本語文献目録(1868-2011)(今野諒子)
人名・著作名索引/事項索引