サピエンティア42
洋服を着る近代 帝国の思惑と民族の選択
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-588-60342-6 C1320
奥付の初版発行年月:2016年02月 / 発売日:2016年02月上旬
西洋列強は版図を拡大するにあたり、現地民の裸体を野蛮とみなし、「文化」を押しつけた。被植民者がそれをどう受け止めたのかは、装いを見れば一目瞭然だった。自分とは何者か、アイデンティティを表明する道具でもある衣服の歴史をたどり、多様だった世界の人々の服装がどのように画一化されていったのかを考察する。なぜ世界中の男性はみなスーツを着るようになったのか。
ロバート・ロス(ロス ロバート)
(Robert J. Ross)
1949年、ロンドン生まれ。1974年、ケンブリッジで博士号を取得。1976年以降、オランダのライデン大学に勤務。現在は同大学歴史研究所教授。専門は、植民地期の南アフリカ史。主著として、Cape of Torments: Slavery and Resistance in South Africa, Routledge and Kegan Paul, London, 1983; Status and Respectability at the Cape of Good Hope: A Tragedy of Manners, Cambridge, Cambridge University Press, 1999.他に以下の編者を務める。Ross, R. J. & Hamilton, C. A. & Mbenga, B. K. (eds.), Cambridge History of South Africa, Volume I, Cambridge: Cambridge University Press, 2010.また概説書A Concise History of South Africa, Cambridge, Cambridge University Press, 1999(石鎚優訳『南アフリカの歴史』創土社、2009年).
平田 雅博(ヒラタ マサヒロ)
青山学院大学文学部教授。主な業績:『イギリス帝国と世界システム』晃洋書房、2000年、『内なる帝国・内なる他者──在英黒人の歴史』晃洋書房、2004年、『帝国意識の解剖学』(共編著)世界思想社、1999年、『近代ヨーロッパを読み解く――帝国・国民国家・地域』(共編著)、ミネルヴァ書房、2008年、『世界史のなかの帝国と官僚』(共編著)、山川出版社、2009年、『戦争記憶の継承──語りなおす現場から』(共編著)社会評論社、2011年、ほか。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
謝辞
第1章 序論
第2章 衣服の規制
第3章 旧世界の衣服改革
第4章 最初の植民地主義
第5章 衣服の製造、保管、流通
第6章 ヨーロッパの輸出
第7章 正しき心でお召し替え──キリスト教の布教と衣服
第8章 身体の再編、精神の改革
第9章 植民地ナショナリズムの衣服
第10章 衣服の解放
第11章 衣服の受容と拒否
第12章 結論
訳者あとがき
索引