軍事組織とジェンダー 自衛隊の女性たち
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-1125-6(4-7664-1125-0) C3036
奥付の初版発行年月:2004年12月
日本の軍事組織・自衛隊及び防衛大学校をめぐるジェンダー・イデオロギー研究。
米軍における膨大な先行研究を取り込み、自衛隊のジェンダー政策と自衛官募集ポスターの表象の変遷を追い、自衛隊及び防衛大学校のフィールド・ワークを行うことで、自衛隊が、男性を範型とし、性別関与的に組織を構造化してきたプロセスを解明する。
中部大学人文学部専任講師
慶應義塾大学環境情報学部卒業(1995年)後、同大学院政策・メディア研究科修士課程(1997年)・博士課程修了(2000年)、博士号(学術)取得(2002年)。日本学術振興会特別研究員を経て、2003年より現職。専門はジェンダー研究。主な著書・論文に『総合政策学の最先端IV 新世代研究者による挑戦』(共著、慶應義塾大学出版会、2003年)、「再考 自衛隊と/の女性」(『国際ジェンダー学会誌』Vol.1、2003年)など。2002年に第6回女性学研究国際奨励賞受賞。
目次
序章 自衛隊の女性という対象領域の不在
軍事組織の「男女共同参画」という国際潮流
本書の目指すところ
対象と方法
第一章 軍事組織とジェンダー
1 分析概念としてのジェンダー
2 軍事組織とジェンダーの分析枠組み
ジェンダー・イデオロギー
差異と平等をめぐるディレンマ
ジェンダー・イデオロギーの三元図式
3 軍事組織をめぐるジェンダー・イデオロギーの八類型
タイプ1「ミリタリスト伝統主義者」
タイプ2「アンチミリタリスト伝統主義者」
タイプ3「ミリタリスト差異あり平等派」
タイプ4「アンチミリタリスト差異あり平等派」
タイプ5「ミリタリスト平等派」
タイプ6「アンチミリタリスト平等派」
タイプ7「ミリタリスト実力至上主義者」
タイプ8「アンチミリタリスト実力至上主義者」
軍事組織をめぐるジェンダー・イデオロギー
第二章 自衛隊におけるジェンダー —政策・表象・イデオロギー
1 自衛隊のジェンダー政策史
第1期 看護職採用期のジェンダー政策(一九五〇〜六六年)
第2期 一般婦人自衛官採用期のジェンダー政策(一九六七〜八五年)
第3期 婦人自衛官採用拡大期のジェンダー政策(一九八六〜九一年)
第4期 幹部自衛官採用期のジェンダー政策(一九九二年〜)
2 自衛隊のジェンダー表象史
第1期 看護職採用期のジェンダー表象(一九五〇〜六六年)
第2期 一般婦人自衛官採用期のジェンダー表象(一九六七〜八五年)
第3期 婦人自衛官採用拡大期のジェンダー表象(一九八六〜九一年)
第4期 幹部自衛官採用期のジェンダー表象(一九九二年〜)
3 自衛隊におけるジェンダー・イデオロギーの変容
第三章 第3章 自衛隊におけるジェンダー —組織と構成員
1 ジェンダー編成の現状
2 女性自衛官調査—自衛隊における女性の経験
入隊機会と志望動機
教育・訓練体制
職場経験
昇任経験
共働き自衛官
セクシュアル・ハラスメント
自衛隊という職場
3 防衛大学校調査—防衛大学校における女性の経験
国防の担い手への教育効果
女子学生の困難の諸相
「ジェンダー化された軍事化」装置としての防衛大学校
男女学生のジェンダー・イデオロギーの変容
ジェンダー化された軍事化の帰結
4 自衛隊のジェンダー・イデオロギーの再生産メカニズム
結 論
あとがき
註
参考文献