イスタンブル 歴史と現代の光と影
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1195-9(4-7664-1195-1) C26
奥付の初版発行年月:2005年09月
「古きを訪ねて今を知る。」東西文明の十字路とも言われ、訪れる人になぜか懐かしさを感じさせる都市・イスタンブル。トルコ研究の第一人者が、ビザンティオン、コンスタンティノープル、そしてイスタンブルと名前を変えてきた都市の歴史を繙き、溢れる思いとトルコでの豊富な体験から紡ぎだす、イスタンブル物語。カラー口絵を含め、写真を多数掲載。
長場 紘(ながば ひろし)
1940年福島県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。1964年アジア経済研究所入所。アンカラ大学、ボスポラス大学客員研究員、図書資料部収集課長、国際交流室次長、総合研究部主任調査研究員、地域研究第2部長、図書館長などを経て2001年3月定年退職。現在、慶應義塾大学、大阪外国語大学、日本女子大学、和洋女子大学、淑徳大学で講師を務めるかたわらトルコに関する執筆活動を行っている。著書に『回想のイスタンブル−海峡都市の変貌』、『近代トルコ見聞録』、『現代中東情報探索ガイド』、論文に「現代トルコにおけるイスラーム復興の諸相」、「トルコのEC加盟問題」、「ブルガリアのトルコ系少数民族」、「変転するトルコの社会・政治状況」など。
目次
はじめに
第1章 至福への門
イスタンブル —呼称の由来
ビザンティオンからコンスタンティノープルへ
ビザンティン帝国のコンスタンティノープル
イスラーム都市への変容
西欧化のうねり
トルコ共和国の誕生
現代のイスタンブル
第2章 ガラタとペラ
ガラタの発展
カラキョイ広場の周辺 /ガラタ塔 /ガラタ橋
ペラからベイオールへ—西欧化の原点
タクシム広場
イノニュ通り /ジュムフリイェット通りとタルラバシュ通り /スラセルヴィレル通り
第3章 イスティクラル通り界隈
タクシム広場からトゥネル広場へ
西欧の香り——旧大使館のたたずまい
日本大使館/ フランス大使館/イタリア大使館/イギリス大使館
オランダ大使館/ロシア大使館/アメリカ大使館
チチェキ・パサジュ
シティ・ドゥ・ペラからチチェキ・パサジュへ /わが国との接点 /新しい顔
第4章 エミノニュからスルタン・アフメト広場へ
イェニ・ジャーミー
エジプト市場
リュステム・パシャ・ジャーミー
スレイマニイェ・ジャーミー
エミノニュ界隈
ジャーロオゥル
スルタン・アフメト広場
ハギア・ソフィア大聖堂 /スルタン・アフメト・ジャーミー
第5章 ボスポラス海峡の風に吹かれて
歴史をふりかえる
海峡遊覧一日
ベシクタシュ /オルタキョイ /クルチェシュメ /アルナヴットキョイ
ベベキ /ルメリ・ヒサル /エミルガン /イェニキョイ /タラビヤ
ビュユックデレ /サルイェル /アナドル・カヴァーウ /ベイコズ
パシャバフチェ /チュブクル /カンルジャ /アナドル・ヒサル
キュチュクスとギョクス /カンディルリ /ヴァニキョイ /ベイレルベイ
ユスキュダル /ハイダルパシャ/カドゥキョイ
第6章 スルタンたちの栄華の跡
トプカプ宮殿
ドルマバフチェ宮殿
チュラーン宮殿
ユルドゥズ宮殿
第7章 ホテル物語
ケルヴァンサライからホテルへ
ペラ・パラス・ホテル
ミステリアスな歴史 /ケマル・パシャ /イギリス大使暗殺未遂事件
夜を過ごした人々 /もう一つの楽しみ方
パーク・ホテル
変身したイタリア大使公邸 /ミラマーからパーク・ホテルへ /栄光の日々
パーク・スュルメリ・ホテル /黒い噂
第8章 オリエント急行とシルケジ駅
栄光の門出
至福の時
ジャーナリストの追憶
終着・シルケジ駅
苦難との遭遇
消え去る運命
小説と映画の主役
第9章 スパスィーバ! イスタンブル 白系ロシア人の末路
流浪の果て
人生の軌跡
男爵夫人ヴァレンチン・タスキン /リディア・クラッサ・アルズマノヴァ夫人
ニコライ・ティムチェンコ /リディア・レイラ・ユルドゥズ
ロバート・カレッジと白系ロシア人
第10章 マルマラ海に遊ぶ プリンスィズ諸島(アダラル)
流刑の島々
今日のプリンスィズ諸島
クナル島
ブルガズ島
ヘイベリ島
ビュユック島
第11章 グランド・バザール 東洋的情緒
二つのベデスタン
被害と修復の歴史
発展をもたらしたもの
今日のグランド・バザール
あとがき
文献案内
オスマン帝国歴代スルタン在位期間
イスタンブル略年表
表紙写真 オルタキョイ・ジャーミー(著者撮影)