シェイクスピアの宇宙 英知は時空を超えて
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-7664-1697-8 C3098
奥付の初版発行年月:2009年11月
シェイクスピアの叡智
▼シェイクスピアが生きた時代。それは、エリザベス1世が即位し、文学・演劇・音楽の諸分野が隆盛を誇ったイギリス・ルネサンス黄金時代である。この時代の王侯貴族の人間模様を背景に人間性の本質を鋭く描いた数多くの作品には、優れた言語表現、無数の名言がちりばめられている。
▼本書は代表作の名言の数々からその文体論の研究まで、シェイクスピアを多角的にみつめ、その奥深い世界を探求した、著者渾身の一冊。
田中實(たなか みのる)
1934年生まれ。1965年慶應義塾大学大学院文学研究科修了。大東文化大学、慶應義塾大学、早稲田大学の教壇に立ち、現在、大東文化大学名誉教授。
目次
はじめに
Ⅰ シェイクスピアに親しむ
1 身近な演劇人シェイクスピア
2 恋に妖精の魔法や惚れ薬
3 怨み骨髄シャイロック
4 ロミオとジュリエットの愛は永遠に
5 遺恨を晴らせ、ハムレット
6 オセロに嫉妬の仕掛人が
7 娘たちに騙されたか リア王
8 野心家マクベスは唆されて
Ⅱ シェイクスピアの知恵袋——心の琴線に触れる名せりふ
生きるか、死ぬか、そこが問題なんだよ——『ハムレット』
彼は欠点と長所が釣り合っている——『アントニーとクレオパトラ』
愚か者は自分が賢いと思い、賢いものは自分が愚かだと思う——『お気に召すまま』
人間て何てすばらしい傑作なんだろう——『ハムレット』
この世はすべて舞台だよ——『お気に召すまま』
人生はただうろちょろする影法師——『マクベス』
楽しみながらやらないとものになりません——『じゃじゃ馬ならし』
自分自身に忠実になれ——『ハムレット』
逆境ほど快いものはない——『お気に召すまま』
哲学でジュリエットは作れないでしょ——『ロミオとジュリエット』
弱いものなんだなあ、女というのは—-『ハムレット』
天使みたいな悪魔—-『ロミオをジュリエット』
別れはとても甘く切ない-—『ロミオをジュリエット』
ユダヤ人には目がないかよ—-『ベニスの商人』
金を借りるな、貸すなよ—-『ハムレット』
懐の備えが豊かなら、着るものが貧相でもけっこう-—『じゃじゃ馬馴らし』
患者自身が病気を治す気にならないと-—『マクベス』
すんだことはすんだことですよ—-『マクベス』
世に最もむごく無慈悲を極めた一撃—-『ジュリアス・シーザー』
簡潔こそ機知の心髄—-『ハムレット』
Ⅲ シェイクスピアの文体もしくは筆癖
1 シェイクスピアの言語
2 省略法
3 反復法
4 並列法
5 対照法
6 比喩表現
おわりに