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ー3.11後の災害対応・情報発信・教育・地域活性化自治体ICTネットワーキング

自治体ICTネットワーキング ー3.11後の災害対応・情報発信・教育・地域活性化

四六判 260ページ 並製
価格:2,090円 (消費税:190円)
ISBN978-4-7664-1995-5 C3031
奥付の初版発行年月:2012年11月 / 発売日:2012年11月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

自治体間で連携し、「アプリ化」と「共有」で課題解決へ。

▼慶應義塾大学SFC研究所が主催する「自治体ICTプロジェクト」と、その母体である全国30超の基礎自治体首長による「全国自治体ICTサミット」は、情報交換・政策提言グループから自治体ICT活用ネットワークへと進展しつつある。この動きは、国―県―市町村という「縦型・階層型」モデルから、住民の最も近いところにある基礎自治体が連携し住民サービス基盤を共同で構築・運用するモデルへの転換を示唆している。

▼一方で、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、各自治体が対応できる能力を大きく超える被害をもたらし、自治体連携の重要性が注目される契機となった。本書ではこの考え方を一歩進め、ICT時代の自治体ネットワーキングのあり方を提唱する。

▼問題解決手法の「アプリ化と共有」をキーワードとし、富士吉田市におけるアプリ開発の実践例や30を超える自治体ICTプロジェクト参加自治体を交えた幅広いICT利活用の議論などをベースに、自治体の情報基盤の実態とその未来像を展望し、東日本大震災後に重要性を増した自治体連携の新たなモデルを提示する。

著者プロフィール

櫻井 美穂子(サクライ ミホコ)

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任研究員。
2005年慶應義塾大学総合政策学部卒業、 日本新聞協会入社。11年同大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、同年より現職、「自治体ICTプロジェクト」の運営に携わる。
論文等に「自治体広報体制が組織内情報共有に与える影響」(『政策情報学会誌』、第5巻第1号)、"Municipal Government ICT in 3.11 Crisis: Lessons from the Great East Japan Earthquake and Tsunami Crisis," Harvard University Berkman Center for Internet and Society Working Paper, http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=
2095192, July 2012 がある。

國領 二郎(コクリョウ ジロウ)

慶應義塾大学総合政策学部教授。
1982年東京大学経済学部卒業、日本電信電話公社入社。88年ハーバード大学研究助手、92年同経営学博士、93年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授、2000年同教授、03年同大学環境情報学部教授、06年より現職。著書に『オープン・ネットワーク経営』(日本経済新聞社)、『オープン・アーキテクチャ戦略』(ダイヤモンド社)、『オープン・ソリューション社会の構想』(日本経済新聞社)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき

序章 自治体ICTネットワーキングの時代
 自治体ネットワーキングの可能性/ネットワーキングの論理/自律・分
 散・協調型の統治構造/自治体の可能性と限界/ネットワーキングによ
 る限界の突破/協働のプラットフォームとしての自治体/本書の構成

  第1部 東日本大震災に見る自治体ネットワーキングの実態

第1章 災害時被災地支援の事例
 銀河連邦/遠野市の後方支援/一市丸ごと支援(陸前高田市――名古
 屋市)/東日本大震災被災地自治体ICT担当連絡会

第2章 自治体ネットワーキングの類型
 災害時相互支援の概念/支援活動の根拠となる災害協定/支援の内容
 と体制/情報共有の形態

第3章 新しいネットワーキングの形
 ICT部門における災害対応/災害対応業務のための情報システム/
 ICT分野における災害時自治体相互支援

  第2部 問題解決手法の「アプリ」事例

第4章 自治体の問題解決とICT
 問題解決の「仕組み化、アプリ化」とICTによる共有/スマートフォ
 ンの時代/問題解決の道具としてのICT、基盤としてのICT/
 クラウド、 プラットフォーム、ブラウザ/ハードとソフトの分離
 ――問題解決の共 有/共通課題と地域固有 ニーズの構造化

第5章 災害対応とICT
 被災者支援システム/被災者管理システム(相談履歴データベース)/
 罹災証明・被災者台帳管理システム

第6章 情報収集・発信とICT
 災害時における情報収集・発信/コミュニティFMの災害時活用(宮
 城県登米市)/ ツイッターを活用した情報収集・発信(茨城県つくば
 市)フェイスブックを活用した情 報発信(佐賀県武雄市)

第7章 教育とICT
 学校における教育情報化の実態/校務支援システムの開発(山梨県
 富士吉田市)/ 教室におけるICT利活用(茨城県つくば市)

第8章 地域産業活性化とICT
 地域密着型ブログポータルサイト「村ぶろ」(和歌山県北山市)/フェ
 イスブックを活 用した地域産品販売「FB(ファンバイ)良品」(佐
 賀県武雄市)/彩ネットワークシ ステム(徳島県上勝町(株)いろど
 り)

第9章 健康福祉とICT
 高齢者見守りシステムと健康管理支援システム(徳島県美馬市)/
 健康づくりと医療 支援(岩手県遠野市)

  第3部 ICT時代の自治体ネットワーキング

第10章 アプリの開発と共有
 基礎自治体におけるICT利活用の現状/アプリ化による自立/
 アプリの開発/アプリの共有

第11章 ライセンスビジネスの提唱
 「富士宮やきそば」の展開(静岡県富士宮市)/富士宮にならった
 「横手やきそば」 (秋田県横手市)/リスクをとった人(団体)が儲
 ける仕組み

第12章 自治体主導のICT利活用へ
 ICT時代の自治体ネットワーキングモデル/「自治体ICTプロジェ
 クト」の実践/ 「民」を巻き込んだ地域交流の主体へ

付論 東日本大震災と自治体ICT

 巻末資料① 藤沢市資料「災害時における大型汎用電子計算機の相
 互支援に関する協定締結について」
 巻末資料② 全国自治体ICTサミット 声明文

あとがき


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