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いま死刑制度を考える

いま死刑制度を考える

井田 良:編著, 太田 達也:編著
四六判 208ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-2100-2 C3032
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年02月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

▼人の生命を奪う刑罰について問う

▼わが国の死刑制度のあり方について、どのように考えるべきか、また今後どうしていくべきか?

▼最大の問題でありながら建設的・生産的な議論が行われない。この閉塞状況を打開し相互の理解を深めるため、第一線の法律家たちが制度の存廃と今後のあり方をめぐる冷静な議論を積み重ねる。

著者プロフィール

井田 良(イダ マコト)

1956年生まれ。慶應義塾大学大学院法務研究科教授。法学博士(ケルン大学)。名誉法学博士(ザールラント大学、エアランゲン大学)。日本学術会議会員、最高裁判所司法修習委員会幹事、日本刑法学会理事などを務める。2006年にフィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞、2009年にオイゲン・ウント・イルゼ・ザイボルト賞を受賞。
編著書として、『刑法総論の理論構造』(成文堂、2005年)、『変革の時代における理論刑法学』(慶應義塾大学出版会、2007年)、『講義刑法学・総論』(有斐閣、2008年)、『新基本法コンメンタール刑法』(編著、日本評論社、2012年)、『刑法各論(第2版)』(弘文堂、2013年)、『基礎から学ぶ刑事法(第5版)』(有斐閣、2013年)ほかがある。

太田 達也(オオタ タツヤ)

1964年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。日本被害者学会理事、日本犯罪社会学会理事、日本更生保護学会理事、最高検察庁刑事政策専門委員会参与、法務省矯正局矯正に関する政策研究会委員、法務省研究評価検討委員会委員などを務める。
編著書として、『 Victims and Criminal Justice: Asian Perspective (被害者と刑事司法―アジアの展望)』(編著、慶應義塾大学法学研究会、2003年)、『修復的司法の総合的研究』(共著、風間書房、2006年)、『ビギナーズ刑事政策(第2版)』(共著、成文堂、2011年)、『法務総合研究所研究部報告47:来日外国人少年の非行に関する研究(第1報告)』『同51:(第2報告)』(共著、2012年、2013年)、『高齢犯罪者の特性と犯罪要因に関する調査』(共著、警察庁警察政策研究センター、2013年)ほかがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

【編著者】
井田 良(いだ まこと)
1956年生まれ。慶應義塾大学大学院法務研究科教授。法学博士(ケルン大学)。名誉法学博士(ザールラント大学、エアランゲン大学)。日本学術会議会員、最高裁判所司法修習委員会幹事、日本刑法学会理事などを務める。2006年にフィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞、2009年にオイゲン・ウント・イルゼ・ザイボルト賞を受賞。

太田 達也(おおた たつや)
1964年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。日本被害者学会理事、日本犯罪社会学会理事、日本更生保護学会理事、最高検察庁刑事政策専門委員会参与、法務省矯正局矯正に関する政策研究会委員、法務省研究評価検討委員会委員などを務める。

【執筆者・翻訳者】
高橋 則夫(たかはし のりお)
1951年生まれ。早稲田大学大学院法務研究科教授。法学博士。日本刑法学会理事、日本被害者学会理事長、法務省法務総合研究所犯罪白書研究会委員、法務省矯正局矯正に関する政策研究会委員などを務める。
編著書として、『共犯体系と共犯理論』(成文堂、1988年)、『犯罪被害者の研究』(共編著、成文堂、1996年)、『刑法における損害回復の思想』(成文堂、1997年)、『わかりやすい犯罪被害者保護制度』(共著、有斐閣、2001年)、『修復的司法の探求』(成文堂、2003年)、『規範論と刑法解釈論』(成文堂、2007年)、『対話による犯罪解決』(成文堂、2007年)、『ブリッジブック刑法の考え方』(編著、信山社、2009年)、『刑法各論』(成文堂、2011年)、『刑法総論(第2版)』(成文堂、2013年)ほかがある。

椎橋 隆幸(しいばし たかゆき)
1946年生まれ。中央大学大学院法務研究科教授。法学博士。日本被害者学会理事、国家公安委員会犯罪被害給付専門委員、最高裁判所刑事規則制定諮問委員会委員、最高裁判所裁判員制度の運用等に関する有職者懇談会委員(座長)、中央教育審議会専門委員、内閣府犯罪被害者等施策推進会議専門委員(座長)、法制審議会臨時委員などを務める。
編著書として、『刑事弁護・捜査の理論』(信山社、1993年)、『わかりやすい犯罪被害者保護制度』(共著、有斐閣、2001年)、『Q&A 平成19年犯罪被害者のための刑事手続関連法改正』(共著、有斐閣、2008年)、『刑事訴訟法の理論的展開』(信山社、2010年)、『刑事訴訟法基本判例解説』(共編著、信山社、2012年)、『プライマリー刑事訴訟法(第4版)』(編著、不磨書房、2012年)ほかがある。

原田 國男(はらだ くにお)
1945年生まれ。慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授(専任)。田辺総合法律事務所パートナー弁護士、最高検察庁参与。博士(法学)。1969年東京地方裁判所判事補として任官し、東京、福岡、名古屋の各地方裁判所等で刑事裁判官として勤務。法務省刑事局付検事、最高裁判所調査官、水戸地方裁判所所長、東京高等裁判所部総括判事を経て現職。
編著書として、『裁判例コンメンタール刑法 1~3巻』(共編著、立花書房、2006年)、『量刑判断の実際 第3版』(立花書房、2008年)、『裁判員裁判と量刑法』(成文堂、2011年)、『逆転無罪の事実認定』(勁草書房、2012年)、『大コンメンタール刑事訴訟法(第2版)』(共編著、青林書院、2010-2013年)ほかがある。

フランツ・シュトレング(Franz Streng)
1947年生まれ。2013年までドイツ・エアランゲン=ニュルンベルク大学教授。名誉法学博士(アテネ大学)。ドイツ少年裁判所協会執行委員会委員および同北部バイエルン地区首席代表、バイエルン州行刑専門委員会委員などを務める。1974年にハイデルベルク大学のレフェレンツ教授に提出した『性犯罪に関する心理分析理論』で博士号を取得。同大学助手を経て、1983年に教授資格論文『量刑と相対的正義―量刑の相違についての法的・心理学的・社会学的視点の研究』を提出し、1985年にハイデルベルク大学教授に就任、1987年からコンスタンツ大学教授、1991年からエアランゲン= ニュルンベルク大学教授。刑事法全般について著作があるが、特に刑事制裁論、量刑論、責任論、少年法を重点的に研究。
著書として、『刑事制裁論―量刑とその基礎理論(Strafrechtlische Sanktionen Die Strafzumessung und ihre Grundlagen)』(第3版)(Kohlhammer, 2012)、『少年刑法(Jungendstrafrecht)』(第3版)(C.F. Muller, 2012)ほかがある。

小名木 明宏(おなぎ あきひろ)
1962年生まれ。北海道大学大学院法学研究科教授。法学博士(ケルン大学)。
著書として、『緊急避難規定に関する日独比較研究(Die Notstandsregelung im japanischen und deutschen Strafrecht im Vergleich)』(Nomos, 1993)、『ワークスタディ刑法総論(第2版)』(共著、不磨書房、2002年)、『ワークスタディ刑法各論』(共著、不磨書房、2002年)、『演習ノート刑法総論(全訂第3版)』(共著、法学書院、2003年)、『みぢかな刑法(総論)』(共著、不磨書房、2004年)ほかがある。

小池 信太郎(こいけ しんたろう)
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院法務研究科准教授。
論文として、「量刑における構成要件外結果の客観的範囲について」慶應法学7号(2007年)、「裁判員裁判における量刑評議について―法律専門家としての裁判官の役割」法学研究 82巻1号(2009年)、「ドイツにおける殺人処罰規定の改革をめぐる議論の動向」川端博ほか編『理論刑法学の探究④』(成文堂、2011年)、「量刑理論からみた刑の執行猶予」刑法雑誌52巻2号(2013年)、「量刑における幅の理論と死刑・無期刑」論究ジュリスト4号(2013年)ほかがある。

ペトラ・ホーン(Petra Hohn)
2006年からドイツの被害者支援組織「失った子と兄弟姉妹の死を悼む会」(Bundesverband Verwaiste Eltern und trauernde Geschwister)会長。グリーフ・カウンセラー、サイコロジカル&システミック・カウンセラー、ライプツィヒ大学講師。著書として、『突然に子を失って(Plötzlich ohne Kind)』(Gütersloher Verlagshaus, 2008)がある。

堀田 晶子(ほった あきこ)
帝京大学法学部助教。2010年、マールブルク・フィリップス大学において博士論文「ドメスティック・バイオレンスにおける加害者・被害者和解(Tӓter-Opfer-Ausgleich bei hӓuslicher Gewalt)」を提出し、法学博士号を取得。

目次

はしがき


序 章 いま死刑制度とそのあり方を考える (井田 良)
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 本書に収録された各論稿について
 Ⅲ 死刑制度をめぐる主要な論点
 Ⅳ 日本人の死生観・刑罰観と死刑
 Ⅴ 結 語

第2章 死刑存廃論における一つの視点 (高橋 則夫)
    ――応報的正義(Retributive Justice)から修復的正義
     (Restorative Justice)へ
 Ⅰ これまでの死刑存廃論
 Ⅱ 被害者(遺族)と死刑制度
 Ⅲ 被害者(遺族)と刑事司法
 Ⅳ 応報から修復・回復へ
 Ⅴ 被害者関係的刑事司法から修復的司法へ
 Ⅵ これからの課題

第3章 日本の死刑制度について考える (椎橋 隆幸)
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 国際的動向
 Ⅲ 死刑の法的正当化根拠
 Ⅳ 罪刑の均衡について
 Ⅴ 誤判の問題
 Ⅵ 死刑と世論
 Ⅶ おわりに

第4章 わが国の死刑適用基準について (原田 國男)
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ わが国の一般的な量刑判断基準
 Ⅲ わが国の死刑適用基準――永山事件基準
 Ⅳ 永山事件基準における量刑事情
 Ⅴ 永山事件基準の実質化
 Ⅵ 私の経験
 Ⅶ 裁判員裁判における死刑判決

第5章 死刑制度 (フランツ・シュトレング / 翻訳:小名木明宏)
    ――ドイツの視点からの考察
 Ⅰ 歴史
 Ⅱ 死刑に対する市民の見方
 Ⅲ 刑罰目的の検討と死刑
 Ⅳ 最後に――死刑に反対する主要な論拠

第6章 ドイツの無期刑と「責任重大性条項」 (小池信太郎)
    ――立法・判例の動向を中心に
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 死刑廃止後の状況と無期刑への仮釈放制度の導入
 Ⅲ 無期刑仮釈放制度の概要
 Ⅳ 責任重大性条項
 Ⅴ 結びに代えて――日本への示唆と展望

第7章 ドイツにおける被害者支援活動 (ぺトラ・ホーン /
    翻訳:堀田晶子)
 Ⅰ 現実その1
 Ⅱ 現実その2
 Ⅲ 事例1
 Ⅳ 個人的な体験
 Ⅴ 事例2
 Ⅵ 総 括

第8章 被害者支援と死刑 (太田 達也)
 Ⅰ 公費による経済的支援
 Ⅱ 刑事手続における損害回復
 Ⅲ 被害者への情報提供
 Ⅳ 刑事手続への参加
 Ⅴ 被害者感情と死刑
 Ⅵ 現行法制度としての死刑の再検討
 Ⅶ 死刑の執行方法――薬物注射導入の提案
 Ⅷ 死刑の執行時期と対象者選定基準
 Ⅸ 裁判員と死刑


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