耳鳴りを治す 改訂版 ―コントロールしながらうまくつきあう
価格:1,650円 (消費税:150円)
ISBN978-4-7664-2101-9 C3037
奥付の初版発行年月:2013年10月 / 発売日:2013年10月下旬
▼耳鳴りをコントロールし苦痛をやわらげる。
▼耳鳴りで悩んでいる人に、医者は「治りませんよ」と言う。耳鳴りは完全になおるときもあるが、なかなか治りにくいものである。本書は、長年診察と治療にあたり患者さんの悩みを聞いてきた著者が、耳鳴りの仕組みを分かりやすく説明し、治療の目標をより明快に「耳鳴りをコントロールし、苦痛をやわらげること」において執筆したものである。耳鳴りに悩む方を救いたいという願いがこめられている。改訂に当たり、新たな検査法、治療法、症例等を加筆・増補。
神崎 仁(カンザキ ジン)
国際医療福祉大学附属熱海病院 元病院長、国際医療福祉大学教授、慶應義塾大学名誉教授、医学博士。1961年慶應義塾大学医学部卒業、1972年同大学医学部専任講師、1987年同大学医学部教授、1995から1999年慶應義塾大学病院長。国際聴覚医学会会長、日本聴覚医学会理事長、日本めまい・平衡医学会理事、日本耳科学会理事など多くの要職を務める。著書には『めまいを治す [改訂版]』(慶應義塾大学出版会、2003)、『めまいの医学』(南山堂、1995)、『耳鳴の克服とその指導』(金原出版、1993)、『聴覚情報処理とその異常』(メジカルビュー社、1996)など多数。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
改訂にあたって
はじめに
1章 耳鳴りとは何か
耳鳴りの定義
耳鳴りの性状
耳鳴りについてよく聞かれる質問ベスト17
1 耳鳴りは放置するとどうなってしまうか
2 耳鳴りはどこまで治せるか
3 耳鳴りのある人はどれぐらいいるのか
4 耳鳴りは加齢変化なのか
5 耳鳴りは難聴のはじまりなのか
6 耳鳴りと聴覚障害は関係があるのか
7 難聴はないのに耳鳴りだけすることがあるのか
8 耳鳴りは難聴のほか、どんな症状を伴うものなのか
9 危険な耳鳴りはあるのか
10 耳鳴りと血圧は関係があるのか
11 耳鳴りはなぜおこるのか
12 耳鳴り治療用の薬を飲んでも治らないのはどうしてなのか
13 耳鳴りの治療に精神安定剤は有用か
14 耳鳴りと仲良くする方法
15 耳鳴りは体調などによって変化するのか
16 耳鳴りは進行するのか
17 ストレスが耳鳴りを引きおこすことがあるのか
耳鳴りの苦痛度とは
1 耳鳴りが人に与える苦痛とは
2 耳鳴りの苦痛度の強い人の不安
3 耳鳴りに悩まされた音楽家と作家
2章 耳鳴りの原因
耳鳴りをおこす疾患
1 耳自体の疾患によるもの
2 他の病気の治療と関係した耳鳴り
耳の構造とその機能
1 耳の持つ二つの機能
2 内耳の微細構造
耳鳴りってなぜおこるの?
1 末梢説 /2 中枢説
3章 耳鳴りの治療の前に
耳鳴りのための検査
1 病院を受診する際は病歴を持参すること
2 耳鳴りの検査手順
3 耳鳴り問診表とは
耳鳴り治療の目標と治療法の選択
1 治療の目標
2 重症度と治療法の選択
耳鳴りのセルフコントロールと日常生活での注意点
1 セルフコントロールのポイント
2 日常生活で注意すべきこと
4章 耳鳴りの治療法とその実際
耳鳴り自体に対する治療
1 急性に発症した感音難聴や突発性難聴に伴う耳鳴りの場合
2 難聴発症後一カ月過ぎて、難聴と耳鳴りが残っている場合
心理療法とカウンセリング
1 筋弛緩法
2 自律訓練法
3 認知療法
4 エゴグラムを用いたカウンセリング
TRT療法とは
カウンセリングの理論
耳鳴りの治療後の経過について
耳鳴り治療法の評価
1 抗けいれん剤、精神安定剤 /2 抗うつ剤
3 循環改善剤 /4 マスカー / 5 バイオフィードバック
6 心理療法 / 7 TRT療法
耳鳴りの他覚的評価
1 耳鳴り患者の脳機能画像検査 /2 脳波検査
3 血漿BDNF/4 音負荷による皮膚温の変化
耳鳴りと共に生きる
「耳鳴りを治す」の要点
あとがき
参考文献
索引
コラム
大うつ病エピソード / 耳鳴りと「うつ」 / 耳鳴りと自殺
昔の医師は耳鳴りをどのように測定したか