自然地理学(第4版) 地球環境の過去・現在・未来
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-7664-2106-4 C0044
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年02月中旬
「自然地理学」入門書の決定版!
▼私たちの生活に直接関わる地球環境問題や自然災害を、地理学の立場から考える入門書第4版。
▼第3版(2011年3月刊)から、統計データの更新はもちろん、「エネルギー資源」の項の追加や、東日本大震災および津波についての分析・見解を増補。
▶ 第5版が刊行されました。
松原 彰子(マツバラ アキコ)
東京都生まれ
1987年 東京大学大学院理学系研究科地理学博士課程修了
現在 慶應義塾大学経済学部教授,理学博士
専門 自然地理学,第四紀学
著書・翻訳 『人文地理学― その主題と課題 ―』(共著,2005年,慶應義塾大学出版会),『日本の地形5 中部』(分担執筆,2006年,東京大学出版会),『ジオ・メディアの系譜― 進化する地表象の世界 ―』(共著,2010年,慶應義塾大学出版会),『日本の海岸』(分担執筆,2013年,朝倉書店),『図説 世界の地理 第8巻 フランス』(共訳,1999年,朝倉書店),『オックスフォード地理学辞典』(共訳,2003年,朝倉書店)
目次
はじめに
本書の構成
Ⅰ章 地球環境変遷とその原因
1.地球環境の歴史と現在の位置づけ
2.第四紀における気候変化と海面変化
❶ 氷期・間氷期サイクル
❷ 気候変化と海面変化の関係
3.気候変化の原因
❶ 気候変化に関わる諸要因
❷ 惑星地球の周期的運動――ミランコビッチ・サイクル
❸ 太陽活動――太陽黒点数の周期的変化
❹ 海洋の深層循環――海のコンベアーベルト
❺ 火山活動による日傘効果
Ⅱ章 古気候・古環境の復元
1.現在の気候の特徴および古気候の復元方法
❶ 現在の気候分布
❷ 古気候・古環境の復元方法
2.氷河の痕跡を用いた古気候復元
❶ 現在の氷河分布と氷河の流動
❷ 氷河が残す痕跡
❸ 過去の氷河分布に基づく氷期の復元
3.化石による古気候・古環境復元
❶ 化石の種類と化石から復元できる環境要素
❷ 花粉化石による古植生・古気候復元
❸ 動物化石による古環境復元
4.酸素同位体比を用いた古気候・古環境復元
Ⅲ章 旧海水準および海岸線の復元
1.海面変化の原因および旧海水準の復元方法
❶ 海面変化の原因
❷ 地形による旧海水準の復元
❸ 堆積物による旧海水準の復元
2.相対的海面変化曲線
❶ 相対的海面変化曲線の地域差
❷ アイソスタシー
3.沿岸地域における古地理変遷
❶ 海面変化に伴う海岸線の移動
❷ 古地理の復元
Ⅳ章 年代測定の方法
1.放射性同位体を用いた年代測定法
❶ 放射性同位体による年代測定の原理
❷ 放射性炭素同位体(14C)による年代測定法
2.その他の年代推定法
❶ 火山降下物(テフラ)による年代推定法
❷ 年輪年代法
Ⅴ章 地球環境の諸問題(1)
1.地球温暖化
❶ 気温および二酸化炭素濃度変化の実態と温暖化のメカニズム
❷ 21世紀の気温変化予測および地球環境への影響
❸ 地球温暖化対策と問題点
2.ヒートアイランド現象
❶ ヒートアイランド現象の実態と原因
❷ ヒートアイランド対策と問題点
3.オゾン層破壊
❶ 地球大気の構造とオゾン層
❷ オゾン層破壊の実態
❸ オゾン層破壊の原因――フロンによるオゾン層破壊の過程
❹ オゾン層破壊の防止策と問題点
4.エルニーニョ現象/ラニーニャ現象
❶ エルニーニョとエルニーニョ現象
❷ エルニーニョ現象/ラニーニャ現象の原因と経過
❸ エルニーニョ現象/ラニーニャ現象と異常気象
Ⅵ章 地球環境の諸問題(2)
1.地球砂漠化
❶ 砂漠化の定義と分布
❷ 砂漠化の原因と過程
❸ 砂漠化対策と問題点
2.地球の水資源
❶ 水需要の実態
❷ 21世紀の水資源
3.エネルギー資源
❶ エネルギー資源の現状
❷ 新たなエネルギー資源
Ⅶ章 地震活動
1.地震の基礎
❶ 地震の種類――日本周辺で発生する地震のタイプを中心に
❷ 震源と震源域
❸ マグニチュードと震度
2.地球上の地震分布と過去の主要地震
❶ 世界の地震分布と主要地震
❷ 日本列島およびその周辺海域の地震分布と主要地震
Ⅷ章 プレート境界で発生する地震(プレート境界型地震)
1.プレートテクトニクス
❶ プレートテクトニクス誕生までの経緯
❷ 地球上のプレートおよびプレート境界の分布
❸ “ポスト・プレートテクトニクス”――プルームテクトニクス
2.日本列島周辺のプレート分布とプレート境界型地震
❶ プレートテクトニクスから見た日本列島
❷ 沈み込み境界で発生する地震のメカニズム
❸ 南海トラフ・駿河トラフで発生する地震
❹ 相模トラフで発生する地震
❺ 日本海溝で発生する地震――東北地方太平洋沖地震の位置づけ
Ⅸ章 活断層の活動によって発生する地震(活断層型地震)
1.活断層の認定方法
❶ 活断層の定義および分類
❷ 活断層の調査方法
2.日本における活断層分布と活断層型地震
❶ 日本の活断層分布の特徴
❷ 濃尾地震――根尾谷断層
❸ 兵庫県南部地震――野島断層
Ⅹ章 地震災害の実態と将来予測
1.津波
❶ 津波の特性
❷ 遠地津波
❸ 津波地震
2.地盤の液状化現象
❶ 液状化の発生メカニズム
❷ 液状化被害の特徴
❸ 液状化が起こりやすい地形条件
3.地震の将来予測と地震防災
❶ 地震の将来予測
❷ 過去の大規模地震災害
――関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災から学ぶべきこと
❸ 地震ハザードマップ
Ⅺ章 火山活動と火山災害
1.地球上の火山分布と噴火様式
❶ 活火山の分布
❷ マグマの種類と火山の噴火様式
2.火山噴火と災害
❶ 世界の火山災害
❷ 日本における火山噴火と災害
❸ 火山ハザードマップ
Ⅻ章 水害・土砂災害
1.水害・土砂災害の地域性と原因
❶ 気象災害の実態
❷ 水害・土砂災害の原因
❸ 日本の河川の特徴
2.水害・土砂災害の実態
❶ 日本における水害・土砂災害の特徴
❷ 中国の水害
❸ ネパールの水害・土砂災害
3.水害対策の歴史
❶ 治水の方法
❷ 利根川の水害と東遷工事
❸ 信濃川の水害と放水路建設
❹ 武田信玄による甲府盆地の治水
❺ 水害ハザードマップ
XIII章 人為的要因による災害
1.地盤の沈下現象
❶ 地下水採取による地盤沈下
❷ 構造物や埋立て土砂の荷重による地盤沈下
2.海岸侵食
❶ 海岸侵食の原因と過程
❷ 海岸侵食の実態
❸ 海岸侵食対策
XIV章 身近な地形と人間活動
1.地形情報の解析方法
❶ 地形図の読図
❷ 空中写真判読
❸ GIS(地理情報システム、地理情報科学)
2.平野の地形
❶ 平野を構成する地形要素
❷ 関東平野の地形
❸ 東京都の地形――千代田区・中央区・港区周辺を例にして
❹ 横浜周辺の地形
3.砂州地形の発達史と人間活動
❶ 砂州地形発達史の復元
❷ 砂州地形発達史における共通性と地域性
❸ 人間活動の場としての砂州地形
引用図書
参考図書