EPUB戦記 ―― 電子書籍の国際標準化バトル
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-2363-1 C3004
奥付の初版発行年月:2016年08月 / 発売日:2016年08月中旬
「私たちは、何と戦っているのか?」
日本語の電子書籍を可能にした世界標準フォーマット“EPUB3”。
デジタル社会で少数言語を救うための道程は、困難の連続だった。
EPUB策定を通して、改めて「書物の未来」を考える。
▼「このままでは、電子書籍の世界で日本語は滅びる」--
日本語の文化を地球規模の情報通信環境のなかで生き延びさせるために立ち上がった技術者たち。その戦いは、日本語だけではなく、滅亡の危機に瀕する多くの言語利用者にとっての、かけがえのない希望の灯となった。言語文化の多様性を次の世代のために死守する戦いの奇跡の物語。
小林 龍生(コバヤシ タツオ)
1951年生まれ。東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。小学館編集部、ジャストシステムデジタル文化研究所を経て、有限会社スコレックス設立。現在、同社取締役。元Unicode Consortium Director、元International Digital Publishing Forum Director。情報処理推進機構専門委員、日本電子出版協会フェロー、文字情報技術促進協議会会長など。
目次
まえがきに代えて
第1章 大地とその時代
1 慚 愧
2 以前、ぼくも編集者だった
3 矢野直明さんとの出会いと、コンピューターで書くということ
4 「大地」のテクノロジー
5 中野幹隆さんと『普遍論争』
第2章 諫言の彼方に
1 諫言楽組曲
2 電子書籍コンソーシアムの顛末
3 失われた時を求めて
4 夢のあとに
第3章 EPUB戦記
1 JLreqという出来事
2 日本の電子出版状況
3 電子書籍と外字問題
4 EPUB日本語チーム結成
5 再招集
6 関ヶ原の戦い
7 CSS戦記
8 かぐや姫
9 EPUB3の戦後
10 JLreqという出来事、その後
第4章 書物の未来へ
1 中野幹隆さんの死
2 藪の中または平行物語論へ
3 ギロチンまたは書物の解体新書
4 スピンまたは本の背
5 ハイパーテキスト論再考
6 そして、共観年代記へ
7 日本語書記技術論をめざして
あとがきに代えて
事項索引
人名索引
参考文献