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点字読み熟達者の手の使い方の分析を通して盲児に対する点字読み指導法の研究

盲児に対する点字読み指導法の研究 点字読み熟達者の手の使い方の分析を通して

A5判 224ページ 上製
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-7664-2398-3 C3037
奥付の初版発行年月:2017年02月 / 発売日:2017年02月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

点字教育の維持・発展のために

視覚障害教育の中でも特に専門性が求められるのが点字教育である。
教育現場での四半世紀にわたる地道な実践をもとに,
子どもの点字読速度の発達過程を探り,
点字読み熟達者の調査から効率的な両手の使い方を追求する。

▼点字教育の有用性と指導法を豊富なデータで解説。
▼特別支援学校および研究機関には必ず置いておきたい1冊。

視覚障害教育のなかで蓄積された点字学習の多様なデータをもとに、これまでに発行された点字解読導入教材の内容を検討しつつ効率的な点字指導法を考察。
さらに最新の国語点字教科書についての全国盲学校への調査によって導入指導の課題を明らかにし、改善点の提案を行う。

著者プロフィール

牟田口 辰己(ムタグチ タツミ)

広島大学大学院教育学研究科特別支援教育学講座教授。博士(教育学)。
1952年福岡県生まれ。筑波大学大学院教育研究科修士課程修了。専門は特別支援教育,視覚障害教育。筑波大学附属盲学校教諭,国立特殊教育総合研究所視覚障害教育研究部弱視教育研究室長などを経て現職。
著書に『歩行指導の手引』(共著,慶應通信,1985年),『五訂版 視覚障害教育に携わる方のために』(共著,慶應義塾大学出版会,2016年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

  はじめに

  第一部 序 論

第1節 特別支援教育と視覚障害教育
 1 特別支援教育への転換と盲学校
 2 視覚障害教育の専門性と盲学校の現状

第2節 点字の概要
 1 点字の発明と日本点字の翻案
 2 点字の特徴
 3 視覚障害者と点字

第3節 点字読速度に関する研究
 1 海外の研究
 (1)1910~40年代
 (2)1970~80年代
 2 日本の研究
 3 1980年以降の海外・日本の研究

第4節 我が国における点字触読指導法
 1 文部(科学)省による指導書
 2 他動スライディング方式
 3 道村による点字導入学習プログラム
 4 原田による中途視覚障害者への点字触読指導
 5 管による中途失明者の点字触読指導
 6 日本点字図書館版『中途視覚障害者のための点字入門』


  第二部 本 論

 本研究の目的と構成

 第一章 盲児の点字読速度に関する研究

第1節 横断的にみた点字読速度の発達(研究1)
 1 目的
 2 方法
 (1)対象児
 (2)読材料
 (3)測定の方法
 3 結果
 (1)全対象児の読速度の発達
 (2)盲学校および通常学級在籍児童の読速度の発達
 4 考察
 (1)対象児
 (2)6年間の読速度の発達
 (3)盲学校在籍児童と通常学級在籍児童との比較

第2節 縦断的にみた点字読速度の発達(研究2)
 1 目的
 2 方法
 (1)対象児
 (2)読材料と測定の方法
 (3)読速度データの分析方法
 3 結果
 (1)両手読速度と速い手および遅い手による読速度
 (2)読みの速い手の発達的変化
 (3)読速度発達の類型
 4 考察
 (1)ラテラリティの確立
 (2)両手読みによる利得
 (3)読速度を高める指導
 (4)本研究の限界

第3節 中途失明児童の点字読速度の発達(研究3)
 1 目的
 2 方法
 (1)対象児
 (2)点字指導と読速度の測定
 3 結果
 (1)両手読速度の発達
 4 考察
 (1)小学部高学年からの点字読速度の発達
 (2)常用文字の決定
 (3)集中指導の効果
 (4)本研究の限界点と今後の課題

第4節 第一章(研究1―研究3)の総合考察

 第二章 点字読み熟達者の読速度に関する研究

第1節 点字読み熟達者の読速度(研究4)
 1 目的
 2 方法
 (1)熟達者の定義
 (2)対象者
 (3)課題文と測定方法等
 3 結果
 (1)最高読速度
 (2)点字を読む手のタイプ
 (3)タイプ別にみた片手読速度の関係
 (4)両手読みと片手読みの関係
 (5)点字指導と両手のメリット
 4 考察
 (1)熟達者の点字読速度
 (2)点字を読む手のタイプ別にみた特徴
 (3)今後の課題

第2節 点字読み熟達者の点字を読む手の軌跡による研究(研究5)
 1 目的
 2 方法
 (1)対象者
 (2)点字読速度の測定と点字を読む優位な手の決定
 (3)分析方法
 3 結果
 (1)出現した軌跡パターン
 (2)手の使い方タイプ別にみた軌跡とその特徴
 (3)点字を読む手の定量的検討
 (4)各タイプの比較
 (5)左右差・両手の利得との関係からみた新たな分類
 4 考察
 (1)草島・熊沢による軌跡パターンの分類
 (2)点字を読む手
 (3)両手活用型と非両手活用型による新たな分類
 (4)効率的な両手の使い方

第3節 画像解析による非読書時間に関する研究(研究6)
 1 目的
 2 方法
 (1)対象者の点字読速度に関するプロフィール
 (2)画像解析の方法
 (3)分析方法
 3 結果
 (1)読み方別にみた非読書時間
 (2)両手読みにおける読書時間
 4 考察
 (1)非読書時間
 (2)両手読みによる同時読み
 (3)本研究の限界点

第4節 第二章(研究4―研究6)の総合考察

 第三章 効率的な両手読みを意図した点字指導法に関する研究

第1節 文部(科学)省著作国語点字教科書にみる点字触読指導法
(研究7)
 1 目的
 2 方法
 (1)点字教科書からの検討
 (2)点字指導に関する課題等
 3 結果
 (1)点字教科書における点字触読導入教材の比較
 (2)2011(平成23)年発行教科書に関する意見と、各校が抱える点
    字指導に関する課題
 4 考察
 (1)点字指導法の改善について
 (2)その他改善が望まれる事項
 (3)基礎基本を踏まえた点字触読指導

第2節 総合考察と今後の課題
 1 総合考察
 2 今後の課題

 おわりに
 文  献
 索  引


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