パーソナルファイナンス教育の理論と実証 大学生の消費者市民力の育成
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-7664-2540-6 C3036
奥付の初版発行年月:2018年08月 / 発売日:2018年08月下旬
▼個人の経済的自立と自然社会と共生する豊かな消費行動のために
適切な金融行動を通じて社会的価値行動の醸成を目指す
国際比較に基づくパーソナルファイナンス教育の理論と実証
橋長 真紀子(ハシナガ マキコ)
札幌学院大学経営学部准教授
2016年東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。金融機関、消費者教育支援センター、長岡大学を経て現職。新潟県消費生活審議会委員ほか。専門は消費者行動、消費者教育、金融教育。
主な業績:「消費者信用」神山久美・中村年春・細川幸一編著『新しい消費者教育―これからの消費生活を考える』(慶應義塾大学出版会、2016年)、「米国大学のパーソナルファイナンス教育からの示唆」『個人金融』(2016夏号)、”The Effectiveness of Personal Financial Education for College Students: Analysis of a University in the United States“ 『消費者教育』(第33冊、2013年)、「金融教育――社会的価値行動の育成」西村隆男編著『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会、2017年)などがある。
目次
はじめに
序 章 パーソナルファイナンス教育の可能性
第1節 背景
1 大学教育の転換
2 職業教育と生き方教育
3 教養教育としての消費者教育
4 21世紀に求められる能力
5 パーソナルファイナンス教育と消費者市民
第2節 目的と意義
1 持続可能な社会の構築に向けて
2 本書の意義
第3節 本書の構成
第4節 用語の定義
第Ⅰ部 理論編
第1章 パーソナルファイナンス教育の概念
第1節 米国のパーソナルファイナンス教育
1 社会的背景
2 教育プログラム
3 ガイドラインとカリキュラム
4 アイオワ州のパーソナルファイナス教育
4-1 中学・高等学校
4-2 大学
第2節 日本のパーソナルファイナンス教育
1 社会的背景と系譜
2 学問領域
2-1 家政学
2-2 生活経営学・家庭経営学
2-3 家庭経済学
2-4 消費経済学
2-5 社会的価値の育成
3 消費者教育におけるパーソナルファイナンス教育
第3節 日米のパーソナルファイナンス教育の検討
第2章 消費者市民教育の概念
第1節 英国の消費者市民教育
1 社会的背景とナショナルカリキュラム
2 大学教育
3 日米英のパーソナルファイナンス教育の検討
第2節 北欧の消費者市民教育
1 社会的背景と系譜
2 北欧閣僚評議会の消費者教育ガイドライン
3 北欧諸国の消費者教育のガイドラインの改訂
第3節 日本の消費者市民教育の形成
第4節 消費者市民教育と消費者教育の関係性
第3章 21世紀の能力観
第1節 コンピテンシーと消費者市民力の関係性
1 グローバルスタンダード
2 米国の21世紀型スキル
3 日本の21世紀型能力
第2節 21世紀型能力と消費者市民力との関係性
1 自立的活動力としてのキャリア設計力
2 消費者市民力と社会参画力の関係性
3 倫理的な消費者としての視点
4 消費者市民としての能力観
第Ⅱ部 実証編
第4章 大学生の消費者市民力の実態
第1節 日本の大学生(調査①)
1 研究方法
2 調査結果
2-1 金融行動と金融知識
2-2 消費者市民的資質の傾向
3 結果と考察
第2節 日米比較(調査②)
1 研究方法
2 調査結果
2-1 金融行動
2-2 金融行動の相関関係
2-3 金融行動志向性の因子分析
2-4 金融行動志向性の下位尺度間の関連
2-5 属性別金融行動志向性の下位尺度間の相関
第5章 大学におけるパーソナルファイナンス教育の実態
第1節 日本の大学(調査③)
1 研究方法
2 調査結果
2-1 金融リテラシーの現状
2-2 考察
2-3 キャリア教育の提供
2-4 パーソナルファイナンス教育の必要性
2-5 考察
第2節 米国の大学(調査④)
1 研究方法
1-1 シラバス調査
1-2 Web調査
2 調査結果
2-1 シラバス調査
2-2 Web調査
3 考察
第6章 日本の大学における教育実践からの効果検証
第1節 教養教育(調査⑤)
1 研究方法
2 調査結果
2-1 金融行動、幸福度、不安度の変容
2-2 大学教養教育における金融教育の意義
2-3 必修科目としての金融教育の提供
2-4 金融教育でさらに学びたい分野
2-5 日本の大学生の幸福度・不安度
2-6 重回帰分析によるPF教育の効果検証
3 結果と考察
4 追加調査
4-1 調査結果
4-2 履修生と未履修生の比較
5 追加調査の結果と考察
第2節 専門教育(調査⑥)
1 2つの教育実践
2 量的調査
2-1 調査方法
2-2 調査結果
3 質的調査
3-1 調査方法
3-2 調査結果
4 考察
第Ⅲ部 総括
第7章 本書の成果
第8章 今後の課題
あとがき
注
参考文献
索引