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被災者支援の30年と未来の防災阪神・淡路大震災から私たちは何を学んだか

阪神・淡路大震災から私たちは何を学んだか 被災者支援の30年と未来の防災

四六判 224ページ
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-3002-8 C0036
奥付の初版発行年月:2024年12月 / 発売日:2024年12月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

阪神・淡路大震災の失敗を活かし、東日本大震災、能登半島地震、そして世界の事例をもとに、日本特有の防災対策システムの限界を指摘し、国が中心となり自治体や民間の支援者と連携できるシステムの構築を提言する。

著者プロフィール

阪本真由美(サカモトマユミ)

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授。在エル・サルヴァドル日本大使館、国際協力機構(JICA)で国際協力に携わった後に京都大学大学院博士後期課程修了。博士(情報学)。人と防災未来センター主任研究員、名古屋大学減災連携研究センター特任教授を経て現職。ひょうご震災記念21世紀研究機構理事、日本災害復興学会理事。令和6年防災功労者防災担当大臣表彰受賞。専門は、減災コミュニケーション、防災教育、国際防災、地域防災。代表著作に『未来へ繋ぐ災害対策――科学と政治と社会の協働のために』(共著、有斐閣、2022年)など、翻訳にナオミ・ザック『災害の倫理――災害時の自助・共助・公助』(共訳、勁草書房、2020年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 なぜ「大震災」になったのか
──「失敗」から振り返る阪神・淡路大震災(1995年)
1 なぜ大震災になったのか
2 想定に基づく防災計画の落とし穴
3 災害発生直後、地方自治体はどう対応したか
4 誰が被災者を救助したのか 
5 避難所は誰が運営すべきか
6 助かった命を守り生活を再建する 
7 想定外に備える減災復興政策 
8 災害の知見を活かした専門人材の育成 
9 支援を活かす仕組みづくり 

第2章 国は被災者をどう支援するのか
──トルコのマルマラ地震(1999年)とカフラマンマラシュ地震(2023年)
1 被災者支援における国の役割 
2 被災者支援システムは国によってどう違うか 
3 1999年マルマラ地震 
4 災害対策を機能させるためのシステムの大改革 
5 組織間連携を重視した災害対応体制 
6 災害対策システム改革は機能したのか(2023年カフラマンマラシュ地震) 
7 日本における国の役割を考える

第3章 支援がもたらした「第二の津波」とは何か
──備えなきインド洋津波災害(2004年)の混乱
1 全く想定されていなかった大地震津波災害 
2 内戦と大震災に揺れたアチェ 
3 復興体制の構築に向けて 
4 実現されなかった防災ハードウェアの整備 
5 減災のためのソフトウェアの整備 
6 「クラスター」制度の誕生 
7 より良い復興を目指した人材の育成 
8 災害時に国際支援をどのように受け入れるのか

第4章 防災対策の限界をどう乗り越えるか
──東日本大震災(2011年)が伝える津波災害と避難の課題
1 防災対策の限界 
2 災害発生直後は目の前の課題に対処することで精一杯 
3 組織間連携のための「状況判断」が命を救った 
4 人々はどんな情報をもとに、どこへ避難したか 
5 なぜ避難しなかったのか 
6 避難所での物資配布では誰が優先されるのか 
7 行政だけが支援者ではない──地域リーダーの育成 
8 「拡張型」業務にどう対応するのか

第5章 「いつも」と「もしも」をつなぐ未来の防災
──能登半島地震(2024年)から考える課題と提言
1 多様化する支援の担い手
2 能登半島地震における支援の課題
3 地方自治体偏重の災害対応体制からの脱却へ
4 フェーズフリーな社会を目指して

附録 災害支援のためのガイド 
あとがき 
参考文献


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