宮廷食材・ネットワーク・王権 イエメン・ラスール朝と13世紀の世界
馬場 多聞:著
A5判 上製
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-7985-0200-7 C3022
奥付の初版発行年月:2017年03月 / 発売日:2017年03月下旬
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-7985-0200-7 C3022
奥付の初版発行年月:2017年03月 / 発売日:2017年03月下旬
内容紹介
アッバース朝とオスマン朝という2つの世界帝国の狭間にあって、13世紀のイスラーム世界では多様な王朝が勃興していた。その1つであるラスール朝は、紅海とインド洋を結ぶアラビア半島南西部のイエメンを、200年を超えて統治したことで知られる。
本書では、近年になってイエメンで発見された13世紀のラスール朝行政文書集『知識の光』記載の宮廷食材に着目し、その種類や広範囲にわたる供給元、食材の手配や調理、宴席に携わった人々と機関などの宮廷食材をめぐる様々な側面を、『大旅行記』をはじめとした同時代のイスラーム世界の歴史史料との比較・検討をもとに明らかにする。
以上の考察を通して、世界帝国の間をつなぐようにして存続したラスール朝という地方王朝の前半期の姿が、ネットワークと王権が交錯するところに描き出されよう。
著者プロフィール
馬場 多聞(ババ タモン)
馬場多聞(ばば たもん)
九州大学大学院人文科学府博士後期課程修了。博士(文学)。
現在、九州大学大学院人文科学研究院助教。
主な論文に、「ラスール朝史料における東アフリカ」(『史淵』154、2017年)、
「中世イスラーム世界における乳香」(『嗜好品文化研究』2、2017年)など。