学びを広げる教科の架け橋 教科架橋型教科教育実践学の構築
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-7985-0298-4 C3037
奥付の初版発行年月:2021年02月 / 発売日:2021年01月下旬
教員養成系大学・学部では、学校教育実践学や教科教育実践学の考え方を踏まえ、学校教育の質的な改善や改革を目指している。本書は、特に後者の教科教育実践学の充実を目的とし、兵庫教育大学連合学校教育学研究科(博士課程)のプロジェクト研究「研究者養成を踏まえた教科架橋型教科教育実践学の研究」の研究成果の一部として出版するものである。
教科教育実践学は、学校教育での実践を目的として構築されるものであり、また教科を主とした授業展開が意図されるものである。学習指導要領の変化に伴って、教科往還や教科横断等の様々な用語が飛び交っている。往還は行き来することであり、横断は横切ることである。ただ種々の教科を組み合わせることでなく、教科の本質は何か、教科の学習目的を達成するにはどのようにすればよいか、等についての自身の教科を軸とした架橋の観点からの考察が重要となる。
本書では、学問や教育の歴史的な経緯を踏まえ、教科の本質がどこにあり、各教科の学習はどのような視点から行うべきかについて、他の教科の学習成果を踏まえながら自身の教科の学習を進展させる意味で教科架橋の用語を用い、教科架橋型教科教育実践学の構築を目指す。
菊地 章(キクチ アキラ)
昭和54年 徳島大学助手
昭和61年 鳴門教育大学講師
昭和63年 〃 助教授
平成10年 〃 教授
以後、同大学において情報処理センター所長、高度情報研究教育センター所長、地域連
携センター所長、自然・生活系教育部長を歴任。
平成8年より併任する兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科において、代議員、副研
究科長を歴任。
その間、一般社団法人日本産業技術教育学会の理事、編集委員長、副会長、会長を歴任。
令和2年4月より鳴門教育大学特命教授・名誉教授、兵庫教育大学特任教授。
工学博士(大阪大学)
兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 共同研究プロジェクト(W)研究グループ(ヒョウゴキョウイクダイガクダイガクインレンゴウガッコウキョウイクガクケンキュウカキョウドウケンキュウプロジェクトダブリュケンキュウグループ)
秋田美代(アキタ ミヨ)鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授
浅倉有子(アサクラ ユウコ)上越教育大学大学院学校教育研究科教授
上野耕史(ウエノ コウシ)国立教育政策研究所教育課程調査官
小川容子(オガワ ヨウコ)岡山大学大学院教育学研究科教授
篠原陽子(シノハラ ヨウコ)岡山大学大学院教育学研究科教授
谷 陽子(タニ ヨウコ)徳島県立総合教育センター指導主事
初田 隆(ハツダ タカシ)兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授
村井万里子(ムライ マリコ)鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授
森山 潤(モリヤマ ジュン)兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授
目次
まえがき
序 章 教科架橋型教科教育実践学の捉え方
第1節 学校教育実践と教員養成
第2節 教科内の学習内容の融合と教科間の連携
第3節 教科を架橋させる教科架橋型教科教育実践学
第1章 教科架橋型教科教育実践学の基本概念
第1節 学問の発展と分科
第2節 教科としての学校教育への展開
第3節 教育・学習の歴史的な変化
第4節 学習過程に注目した教科架橋型教科教育実践学
第2章 国語教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第2節 言語のシステム理論から見た教科架橋型教科教育実践学
第3章 歴史教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 歴史教育の特徴
第4節 歴史教育と防災教育の関連性
第5節 歴史教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第4章 算数・数学教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 算数・数学科と他教科の関連性
第4節 算数・数学科固有の学習における自己と他者の関連性
第5節 算数・数学教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第5章 音楽教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 音楽教科と他教科との関連性
第4節 音楽教科固有の学習における自己と他者との関連性
第5節 音楽教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第6章 美術教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 図画工作・美術科と他教科との関連性
第4節 図画工作・美術科固有の学習における自己と他者の関連性
第5節 美術教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第7章 技術教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 技術リテラシーとSTEM/STEAM教育
第4節 技術教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第8章 家政教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 家庭科と他教科との関連性
第4節 教科固有の学習における自己と他者の関連性
第5節 家政教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第9章 情報教育の視点から見た教科架橋型教科教育実践学
第1節 教科の背景としての学問体系
第2節 教科架橋型教科教育実践学としての教科の位置付け
第3節 情報技術の発展と情報教育の重要性
第4節 情報教育から見た教科架橋型教科教育実践学
第10章 教科架橋型教科教育実践学の学習指導要領との関連性
第1節 学習指導要領(平成29・30年告示)における教科架橋型教育
第2節 教科架橋型教育の必要性の認識
第3節 教科架橋型教育を実践するための手立て
第4節 教科架橋型教育の実現に向けて
第11章 教科架橋型教科教育実践学の学校教育実践としての展開
第1節 学習指導要領における教科架橋型教育実践の必要性
第2節 言語活動の充実における教科等を架橋する視点
第3節 21世紀型能力における思考力とすべ
第4節 思考・表現過程の具体化
第5節 教科等連携を図った授業の実際
第6節 教科架橋型教科教育実践学の今後の可能性
終 章 教科架橋型教科教育実践学構築のまとめと今後
あとがき
索 引