KUP医学ライブラリ3
隣に寝ている人、息が止まっているけど大丈夫? 循環器内科医が語る睡眠時無呼吸症候群(SAS)の話
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-7985-0355-4 C0347
奥付の初版発行年月:2023年11月 / 発売日:2023年10月中旬
いびきをする人は非常に多くいますが、この中に、呼吸が止まる、「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」の人も多く混じっています。睡眠時無呼吸があると、睡眠が分断され、数百回に及ぶ覚醒が生じて、寝ても寝ても疲れる、昼間眠くて仕方ない、集中力がない、などの症状が生じます。SASには、こうした、不眠と眠気という側面があり、これに対してしっかり治療を行う必要がある一方、繰り返し生じる低酸素状態、覚醒時に起こる交感神経の活性化などを通じて心臓や血管系に悪影響があることがわかってきました。しかしながら、数多くの研究の結果、全ての睡眠時無呼吸症候群が、身体、特に循環器疾患に悪さをするわけではないこともわかってきました。本書は、夜中に息が止まっている方々に、SASが眠気以外に体に与える影響を正しく知っていただき、正しく恐れ、正しい治療にたどり着いていただきたいという思いで書いたものです(著者より)。
安藤 眞一(アンドウ シンイチ)
1956年生まれ。福岡県立筑紫丘高校卒業。一橋大学経済学部に入学するも医学の道を志し、1986年九州大学医学部卒業。同年九州大学循環器内科に入局。医学博士取得後1994年からカナダ、トロント大学医学部循環器内科に留学し、ジョン・S・フローラス教授の下で睡眠時無呼吸症候群の循環器疾患に与える影響について研究。帰国後、九州大学循環器内科を経て1998年に福岡県済生会二日市病院循環器科部長に就任し、循環器疾患の救急医療を行うとともに、睡眠時無呼吸症候群の診療も開始。その後、同病院副院長を経て、2011年に九州大学病院睡眠時無呼吸センター長・特任教授に就任し、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害の診療や研究に従事。2022年から現職の福岡県済生会二日市病院に睡眠医療センターを創設し、循環器疾患患者の診療とともに、そのセンター長として睡眠時無呼吸だけでなく、広く睡眠障害の診療に従事。この間、2010年に日本循環器学会発行の循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン作成、および上記ガイドラインの2023年の改訂版作成に班員として参加した。
上記内容は本書刊行時のものです。