焚き火の脳科学 ヒトはなぜ焚き火にハマるのか
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-7985-0368-4 C0340
奥付の初版発行年月:2024年03月 / 発売日:2024年03月上旬
焚き火の魅力にとりつかれた脳科学者が、焚き火にあたりながら自分の脳波を測定する前代未聞の実験をキャンパス内で実施した。じつはこれまで、焚き火の効果は、実験で直接確かめられていなかった!
本書には、コアな焚き火好きをはじめ、脳科学に興味のある高校生や大学生、脳科学研究に取り組んでいる大学院生や研究者、新規プロジェクトを立ち上げたい方、広く教養を求めている方々に向けて、実験結果だけでなく、脳科学についても幅広く書かれている。
キャンプブームが落ち着いた今、焚き火に思いを馳せながら脳科学をじっくり学ぶための絶好の一冊。
焚き火をすると人はどうなる? なぜ焚き火にハマるのか?
炎の「 1/f ゆらぎ」と「癒やし」は本当に関係があるのか?
コロナ禍に始めたキャンプで焚き火の魅力にとりつかれた脳科学者が、
前代未聞の学内焚き火実験を開始!
脳科学で焚き火に迫る。
岡本 剛(オカモト ツヨシ)
九州大学基幹教育院 准教授。博士(工学)。1975年生まれ。慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻修了、博士号取得。科学技術振興機構・ERATO合原複雑数理モデルプロジェクト研究員、九州大学デジタルメディシン・イニシアティブ助教授および准教授、九州大学大学院医学研究院准教授を経て、現職。趣味と仕事の壁だけでなく、学問分野の壁を壊し続けながら、ヒトの脳の可能性を追究している。本書により単著デビュー。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第1章 焚き火の魅力
私は脳機能*(スター)学者
焚き火の魅力とは?
癒やしだけでない焚き火の効果
焚き火と写真で悦に入る
さらに焚き火と写真で悦に入る
脳をめぐる世間の誤解
焚き火中の脳活動はどうなっているのか?
第2章 焚き火と脳科学のソロ実験
コロナ禍で教育・研究活動に疲れた私
焚き火の脳科学研究プロジェクトに着火
1年をかけて大学を説得①——前編
1年をかけて大学を説得②——中編
1年をかけて大学を説得③——後編
焚き火実験の準備、予備実験と本実験
実験の概要とやり方をわかりやすく説明する
物理、心理、脳波測定の項目とは?
第3章 焚き火の脳科学実験の結果と考察
物理測定の結果を発表!
心理測定の結果を発表!
脳波測定の結果を発表!
世界初! 焚き火と心理・脳波との因果関係を深掘りする
確率推論でわかった焚き火と心理の因果関係
脳波に焚火と心理がどう影響したのか?
焚き火実験の総まとめ
焚き火の効果と1/fゆらぎ
第4章 焚き火と脳のメカニズムを考える
ヒトの感覚とは何か?
感覚に関する実験の問題点①——データ取得編
感覚に関する実験の問題点②——データ解析編
感覚に関する実験の問題点③——データ検討編
なぜ焚き火で気分が上がるのか?
刺激を受けないと脳は働かない
ヒトの感覚の凄さ、脳の感覚野の巧みさ
その味、本当? ヒトの感覚の序列
第5章 脳科学の研究成果は社会で活かせるか
そもそも脳科学研究は社会の役に立つのか?
焚き火の炎と脳波は暗号にも応用できる
「オカモトモデル」で見つけた視覚の特性
世界初! 冷暖房の風が脳活動に及ぼす影響を解明
柑橘系の匂いを嗅ぐとオレンジ色が覚えにくくなる
3日間の脳波トレで長期記憶の向上に成功
脳科学の共同研究とキビシイお金の事情
岡本剛研究室、共同研究、絶賛募集中
第6章 脳の大問題を解決する
2045年問題、AIとヒトの脳
宇宙のような脳のナゾを解く
ヒトの可能性を追究するフィールド脳科学
脳科学の限界を突破するニューロフィードバック技術
天才脳は作れるか? 死なない脳はできるか?
私の研究はノーベル賞を狙えるのか?
おわりに
参考文献