デジタル時代の日本映画 新しい映画のために
価格:5,060円 (消費税:460円)
ISBN978-4-8158-0657-6 C3074
奥付の初版発行年月:2010年12月 / 発売日:2010年12月上旬
デジタル技術は映画の製作・流通・受容を劇的に変え、日本映画をグローバル市場に押しだした。Jホラーやアニメーションからドキュメンタリー・民族映画まで、作品に即してメディア収束下の新たな映画文化を捉えるとともに、「トランスナショナル」の実像を見つめる画期的な現代映画論。
目次
序 章
ポスト撮影所時代における文化地勢図の変容
日本におけるメディアの収束
デジタル技術
文化的想像力の中のトランスナショナル性
第1章 ホラー映画におけるニューメディアの影響
デジタル製作への移行
新たな図像とニューメディアの修辞学
DVDと流通・消費の新たなパラダイム
グローバル市場における日本映画
「映画」の歴史的コンテクストの消失
第2章 デジタル的な「真実らしさ」
ドキュメンタリー・スタイルによる物語映画、『誰も知らない』
リアルな映画、『垂乳女』
『新しい神様』と私的ドキュメンタリー
第3章 「個人的な」アニメーション
北米の学術研究におけるアニメ言説の構築
アニメとメディアの収束、押井守の場合
「個人的」製作によるアニメ、新海誠の場合
「日本的」アニメーション、山村浩二の場合
第4章 トランスナショナル・シネマに見る国家
中国語映画と北欧映画の場合
「トランスナショナル」を遠く離れて
国境、曖昧化すれども決して完全に超越することのできないもの
グローカリゼーション、地域戦略からグローバル現象へ
『ホテル・ヴィーナス』の場合
『ホテル・ヴィーナス』のトランスナショナル性とは?
補論 『トランスナショナル・ジャパン』との対話
第5章 日本の文化的想像力と民族映画
「情動」としての映画的暴力
民族映画
スターの力と日本の文化的想像力
終 章
「テレビ映画」
メディア・コンテンツをめぐる国家政策
あとがき
注
参考文献
人名・作品名索引