近世東南アジア世界の変容 グローバル経済とジャワ島地域社会
価格:6,270円 (消費税:570円)
ISBN978-4-8158-0766-5 C3022
奥付の初版発行年月:2014年02月
東南アジア有数の貿易国家バンテンを政治・経済・社会・思想・環境のあらゆる面から徹底的に解読、オランダや中国の刺激に積極的に対応して大きく変容していった現地商人・社会のダイナミズムを胡椒栽培・糖業から海賊活動をも視野に捉えて、その世界史的転換を示した渾身の力作。
目次
序 章 東南アジア史におけるバンテン
—— 「停滞の18世紀」 論を超えて
はじめに
1 東南アジアの近世と近代 —— 問題の所在
2 バンテンをどう捉えるか —— 先行研究の状況
3 バンテンとランプンのダイナミズム —— 分析方法と本書の構成
第1章 基層の歴史
—— 環境、人口、経済
はじめに
1 バンテン王国の環境と住民
2 バンテンの人口
3 1750年までのバンテンおよびランプン
4 コタ・バンテン —— 首都の概要
5 王国の経済
おわりに
第2章 支配のイデオロギーと構造
—— 王権、社会、イスラーム
はじめに
1 王権とイスラーム
2 バンテン村落と国家支配の構造
3 バンテン王国のランプン支配
4 王権と社会 —— 支配の正統性を伝える装置
おわりに
第3章 バンテン反乱 1750-52年
はじめに
1 ラトゥ・シャリファ・ファーティマの台頭と宮廷の混乱
2 反乱の指導者とその支持者
3 反乱の開始と拡大
4 戦局の転換 —— 首都から東部へ
5 反乱の終焉
おわりに
第4章 共栄の時代
—— スルタンとオランダ東インド会社の蜜月、1752-70年
はじめに
1 支配の再構築
2 オランダ東インド会社のランプン進出
3 バンテン内陸部の胡椒栽培
おわりに
第5章 スルタン統治の終焉
—— 王権の衰退と地方のダイナミズム、1770-1808年
はじめに
1 王権力の衰退
2 バンテン地方社会の変容
3 ランプン社会の経験と選択
おわりに
第6章 海賊と貿易ネットワーク
—— 中国-東南アジア貿易の拡大の中で
はじめに
1 中国市場志向型貿易構造とランプン
2 リアウの盛衰と周辺の海賊
3 ランプンにおける海賊の活動
4 貿易の発展と地域社会
おわりに
第7章 糖業の展開と境界社会の形成
—— 華人移民のインパクトと越境貿易
はじめに
1 ジャワ糖業の展開
2 サダネ川周辺地域の糖業
3 境界社会の発展
おわりに
第8章 植民地国家の構築
—— 統治の浸透と限界、1808-30年
はじめに
1 ダーンデルスの強圧統治
2 ラッフルズの構想と現実
3 オランダ植民地統治の開始と反乱の頻発
4 オランダ支配の浸透と限界
5 植民地村落の形成と村落首長の創出
おわりに
終 章 バンテンにおける近世、世界史の中のバンテン