アファーマティヴ・アクションの行方 過去と未来に向き合うアメリカ
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-8158-0791-7 C3022
奥付の初版発行年月:2014年11月
差別なき公正な社会の実現は可能か。奴隷制が横行した植民期から、「黒人初の大統領」 であるオバマの就任まで、「人種」 問題を軸に400年にわたる米国史をコンパクトに一望し、数々の困難を抱えた積極的差別是正措置の現実と将来を描き出す。
目次
プロローグ アファーマティヴ・アクションとは何か
1 概史
2 続く論争
3 本書の意図
第Ⅰ部 歴史的前提
第1章 「社会的構築物としての人種」 と近代世界システム
1 科学的に否定された 「人種」
2 近代と奴隷制
3 変容するが消えない 「人種」
第2章 奴隷制が支えた初期アメリカの発展
1 北米における奴隷制の誕生
2 独立宣言と奴隷制の共存
3 初期共和国の発展を支えた奴隷制
第3章 奴隷制廃止から 「ジム・クロウ」 へ
1 奴隷制と憲法の修正
2 「ジム・クロウ」
3 3つの道
第4章 差別隔離体制の動揺と法的平等の達成
1 「大移動」 とゲットーの形成
2 アメリカも外圧で変わった?
3 非暴力的社会変革の高揚
4 百年遅れの法的平等の達成
第Ⅱ部 未来への試み
第5章 「貧困との戦争」 から 「優先枠設定」 へ
1 「都市暴動」 と 「結果の平等」 への試み
2 バス通学論争と 「白人の逃亡」
3 ニクソン政権下での 「優先枠設定」 の導入
第6章 20世紀後半の新移民流入と多様性の称揚
1 新しい 「新移民」
2 「人種」 と 「文化」
3 なぜアメリカでは 「人種」 観念が根強いか
第7章 「逆差別」 と 「肌の色の無差別」 による差別正当化
1 過去の不正の解消から未来の多様性の準備へ
2 「自己責任」 論と競争原理の中で
3 「肌の色の無差別」 対 「肌の色へのこだわり」
第8章 賠償請求運動と自立化促進
1 州レベルで廃止される積極的差別是正措置
2 「自助努力」 というタブーの克服
3 自立化促進努力
4 人を区別する新たな境界線とは?
エピローグ 「過去」 の清算と未来社会への準備
1 「過去」 と未来に向き合って
2 より公正な社会を目指して