大学出版部協会

 

モノが語る近世記録と記憶のアメリカ

記録と記憶のアメリカ モノが語る近世

A5判 536ページ 上製
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-8158-0827-3 C3022
奥付の初版発行年月:2016年02月 / 発売日:2016年02月中旬

内容紹介

事実史と記憶史の統合 ——。貨幣や懐中時計から、エフェメラ・古文書、そして記念碑まで、植民地期・革命期の歴史や英雄像を紡ぐモノ史料と、歴史研究に新しい知見をもたらすデジタル史料。アトランティック・ヒストリーの視点も踏まえつつ、両者を駆使した画期的なアプローチにより近世アメリカ像を再構築する。


目次



  第Ⅰ部 記録 —— 当時のモノ

 Ⅰ 近世大西洋世界の諸相

第1章 近世大西洋世界のなかの貨幣 —— 硬貨・大陸紙幣・軍票
     1 国境を越える貨幣
     2 植民地時代の貨幣
     3 独立革命期の貨幣
     4 近世大西洋世界の遺産
     5 コネティカット邦軍票の分析

第2章 物語るエフェメラ —— 一紙文書から見る近世大西洋世界
     1 手稿史料のテクスチャーとテクスト
     2 差押え関連史料のテクストの分析 —— 時間を紡ぐ一紙文書
     3 エフェメラより見るワシントンの親族 —— 受領証と小切手
     4 史料のテクスチャーの分析
     5 史料のテクストの分析

第3章 「完全なる植民地ジェントルマン」 をめざして —— 近世大西洋世界のソフトウェア
     1 メリーランド植民地におけるプランター・ジェントリと火曜倶楽部
     2 ワシントンの礼儀作法

 Ⅱ デジタル史料とモノ史料のなかのワシントン

第4章 ワシントンの帝国 —— 独立革命期における 「帝国」 の語の使用に関する一考察
     1 デジタル史料と 「アメリカ革命」
     2 問題の所在
     3 独立革命期のデジタル史料
     4 独立革命期における帝国の語の使用
     5 ワシントンに関するデジタル史料
     6 ワシントンによる帝国の語の使用

第5章 ワシントンの懐中時計 —— モノによる日常世界復元の試み
     1 時計と史料集合
     2 ワシントン家の懐中時計
     3 大陸軍と懐中時計
     4 コクラン少佐の懐中時計 —— その返却をめぐる書簡のネットワーク
     5 パリのガヴァニア・モリスと懐中時計
     6 装うワシントン

第6章 ワシントンの告別演説 —— その日付に関する一考察
     1 2つの日付の謎 —— 問題の所在
     2 7か9か
     3 6日間の再現 (1) —— 関連史料の提示
     4 6日間の再現 (2) —— 何が起きたのか
     5 その後

  第Ⅱ部 記憶 —— 後代のモノ

 Ⅲ 創られる記憶空間

第7章 植民地時代の記憶
     1 アメリカにおける史蹟と記念碑
     2 「最初の植民地」 の記念碑 (1) —— 失われた植民地ロアノーク
     3 「最初の植民地」 の記念碑 (2) —— 最初の恒久的植民地ジェイムズタウン

第8章 独立革命の記憶
     1 南部における独立戦争の史蹟
     2 ムーアズクリークの戦い
     3 キングズマウンテンの戦い
     4 カウペンズの戦い
     5 ギルフォード・コートハウスの戦い
     6 ヨークタウンの戦い

 Ⅳ 英雄たちの記憶

第9章 英雄の血脈 —— ポカホンタスとワシントン
     1 新旧両世界のポカホンタス
     2 目覚める死者 —— ワシントン家の家族墓所
     3 ワシントン以前のプレジデント
     4 記念されるワシントン —— メダル・カメオ・『ワシントン伝』

第10章 建国のアイコン —— ベッツィとリヴィア
     1 2つの問い
     2 星条旗誕生の神話 —— アイコンとしてのベッツィ・ロス
     3 英雄ポール・リヴィアの生成


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。