大学出版部協会

 

ロボットからの倫理学入門

ロボットからの倫理学入門

A5判 200ページ 並製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-8158-0868-6 C3012
奥付の初版発行年月:2017年02月 / 発売日:2017年02月下旬

内容紹介

自動運転車やケア・ロボット、自律型兵器などが引き起こしうる、もはや SF では済まされない倫理的問題を通し、人間の道徳を考える、知的興奮に満ちた入門書。「本書には、ロボットや AI という新しい隣人たちとつきあう上で参考となる倫理学の知恵がつまっている」 —— 伊勢田哲治。

著者プロフィール

久木田 水生(クキタ ミナオ)

1973年生まれ
2002年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学
2005年 京都大学より博士(文学)を取得
現 在 名古屋大学大学院情報科学研究科准教授

神崎 宣次(カンザキ ノブツグ)

1972年生まれ
2004年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
2008年 京都大学より博士(文学)を取得
現 在 南山大学外国語学部教授

佐々木 拓(ササキ タク)

1976年生まれ
2004年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
2008年 京都大学より博士(文学)を取得
現 在 金沢大学人間社会研究域人間科学系准教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

  Ⅰ ロボットから倫理を考える

第1章 機械の中の道徳 —— 道徳的であるとはそもそもどういうことかを考える
  1-1 アシモフのロボット工学三原則
  1-2 倫理はプログラム可能か?
  1-3 道徳と感情
  1-4 機械化された道徳は道徳なのか?
  1-5 おわりに

第2章 葛藤するロボット —— 倫理学の主要な立場について考える
  2-1 まず倫理に含めないものを除外しよう
  2-2 倫理学を三つに分ける
  2-3 規範倫理学の主要な二つの立場 : 帰結主義 (功利主義) と義務論
  2-4 功利主義
  2-5 義務論
  2-6 第三の立場 : 徳倫理学
  2-7 おわりに

第3章 私のせいではない、ロボットのせいだ —— 道徳的行為者性と責任について考える
  3-1 「ロボットに責任を帰属する」 とは?
  3-2 ロボットも責任主体になれるかも? : 両立論の考え
  3-3 人は自己形成をコントロールできない : 非両立論の考え
  3-4 ロボットへの帰責は可能か?
  3-5 おわりに

第4章 この映画の撮影で虐待されたロボットはいません
       —— 道徳的被行為者性について考える
  4-1 道徳的被行為者とは
  4-2 道徳的被行為者としての人間
  4-3 道徳的被行為者の範囲は?
  4-4 ロボットを道徳的被行為者とみなす必要性はあるか?
  4-5 おわりに

  Ⅱ ロボットの倫理を考える

第5章 AI と誠 —— ソーシャル・ロボットについて考える
  5-1 ソーシャル・ロボットの普及
  5-2 まやかしの関係?
  5-3 ソーシャル・ロボットはユーザーを欺いていると言えるのか?
  5-4 うそも方便
  5-5 ソーシャル・ロボットが社会に与える影響
  5-6 おわりに

第6章 壁にマイクあり障子にカメラあり
       —— ロボット社会のプライバシー問題について考える
  6-1 ロボット利用に伴うプライバシー問題
  6-2 プライバシー権とは
  6-3 プライバシーの価値と情報化時代のプライバシー理論
  6-4 ロボット共生社会における情報プライバシー
  6-5 おわりに

第7章 良いも悪いもリモコン次第? —— 兵器としてのロボットについて考える
  7-1 遠隔操作型兵器から自律型兵器へ
  7-2 戦争にも倫理はある
  7-3 自律型兵器をめぐる賛否両論
  7-4 兵器開発競争への懸念
  7-5 戦争の生態系
  7-6 おわりに

第8章 はたらくロボット —— 近未来の労働のあり方について考える
  8-1 創作物における 「はたらくロボット」
  8-2 機械はなんでもできる
  8-3 技術的失業と機械との競争
  8-4 社会的な影響と対策
  8-5 悪いことだけなのか?
  8-6 ロボットにできるからといってロボットに任せたいとは限らない
  8-7 労働者としてのロボットの責任と権利
  8-8 おわりに


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。