宇宙機の熱設計
価格:19,800円 (消費税:1,800円)
ISBN978-4-8158-1042-9 C3053
奥付の初版発行年月:2021年08月 / 発売日:2021年09月上旬
過酷な宇宙環境において、人工衛星や惑星探査機は温度制御が必須である。本書は、宇宙の熱環境や伝熱過程などの基礎的事項から、熱真空試験、熱制御材料の評価、そして実際の設計例まで、最新情報を含め宇宙機の熱設計の全てをまとめた初の成書。宇宙開発に関わる研究者・技術者必携。
大西 晃(オオニシ アキラ)
元(独)宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
まえがき
第I部 基礎編
第1章 宇宙機の熱設計とは
1.1 宇宙機
1.2 搭載機器の機能と搭載例
1.3 軌道と熱設計
1.4 熱設計に求められること
第2章 熱環境と宇宙環境
2.1 惑星近傍の熱環境
2.2 中性ガス環境
2.3 放射線
2.4 紫外線
2.5 空力加熱とリエントリ
2.6 宇宙プラズマと帯電放電現象
第3章 宇宙における伝熱現象
3.1 ふく射伝熱
3.2 伝導伝熱
3.3 対流伝熱
第4章 熱制御技術の基礎
4.1 ふく射制御
4.2 熱伝導制御
4.3 流体制御
4.4 断熱制御
4.5 ヒータ制御
第5章 熱設計の解析と進め方
5.1 熱設計の基本的な考え方
5.2 システムの熱設計
5.3 サブシステムの熱設計
5.4 サブシステムのインタフェース
5.5 熱解析ソフトウェア
第6章 熱真空試験と熱設計の検証
6.1 熱真空試験の準備
6.2 軌道熱入力
6.3 サブシステムの熱真空試験
6.4 システムの熱真空試験
第7章 熱物性の測定技術と推算
7.1 太陽光吸収率の入射角依存性
7.2 全半球放射率の温度依存性
7.3 固体の熱伝導率
7.4 多層断熱材の実効放射率
7.5 太陽光吸収率および全半球放射率の推算
7.6 宇宙機を利用した熱物性測定
第8章 宇宙環境における劣化とその評価
8.1 地上試験における劣化とその評価
8.2 原子状酸素
8.3 放射線
8.4 紫外線
8.5 実宇宙環境における劣化とその評価
8.6 アウトガス・パーティクルとその影響
第II部 応用編
第9章 熱制御技術の展開
9.1 吸収・ふく射制御
9.2 多孔質多層断熱材
9.3 ヒートスイッチ
9.4 相変化物質
9.5 流体制御
9.6 冷凍機
第10章 熱設計の実際例
10.1 地球周回の人工衛星
10.2 静止軌道の人工衛星
10.3 惑星探査の宇宙機
10.4 大型展開アンテナ
10.5 太陽電池パドル
10.6 搭載電子機器
10.7 宇宙空間露出機器
10.8 バッテリ
10.9 冷却システム
10.10 高温装置の熱防御~再突入飛翔体
第11章 熱設計に関わる注意事項と今後の課題
11.1 地上環境および打上げ時の熱環境
11.2 熱真空試験における注意事項と予備処置
11.3 熱設計のマージン要素
11.4 熱設計のリスクと対策
11.5 熱設計に関わる今後の課題
付録 熱物性データベース
付.1 利用可能な材料データベース
付.2 宇宙用材料の熱光学特性値
付.3 原子状酸素との反応効率
付.4 太陽光吸収率の入射角依存性
付.5 全半球放射率の温度依存性
付.6 太陽光吸収率の劣化
付.7 熱制御材料の熱伝導率
付.8 多層断熱材の実効放射率
図表一覧
索引
Summary in English
List of Figures and Tables