都市化の中国政治 土地取引の展開と多元化する社会
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-1133-4 C3031
奥付の初版発行年月:2023年09月 / 発売日:2023年09月下旬
改革と開放後、独自の不動産市場の展開に伴い都市空間の急拡大をみた中国において、都市と農村で分断された従来の社会構造がいかに変容したのかを、徹底したフィールド調査で解明。土地収用による一方的収奪を超えた農村のしたたかな対応も捉え、今日に及ぶ政治経済の核心的問題に迫る。
鄭 黄燕(テイ コウエン)
中国に生まれる
2011年 北京大学政府管理学院卒業
2022年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了
現 在 東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・
比較法政研究センター特任研究員、博士(法学)
目次
凡 例
序 章 変革期中国の都市農村関係
1 拡大する都市と近郊農村
2 都市農村関係をみる視点 —— 二元構造の再検討
3 都市化による社会の変容 —— 郊外の形成
4 資料と事例
5 本書の構成
第1章 揺れる都市農村の境界
—— 都市化の制度と政治過程
はじめに
1 都市と農村の区分 —— 開発戦略と連動した境界変動
2 行政区画と都市化の展開 —— 抑制から拡大へ
3 都市農村の行政ヒエラルキー
小 括
第2章 農業用地の収用をめぐる協調と葛藤
—— 国有地使用権商品化の波紋
はじめに
1 開発の利益をめぐる協調 —— 1980年代初頭~92年
2 国有地使用権の商品化にともなう対立 —— 1988~2004年
3 対立の調整と村民委員会の葛藤 —— 2004年以降
小 括
第3章 事業用地のゆくえ
—— 交渉の成否を分けたもの
はじめに
1 事業用地を取り巻く利害関係
2 農村の産業開発と都市化過程
3 村の交渉力の源泉 —— 事例間比較
小 括
第4章 住宅用地をめぐる攻防
—— 住宅市場と村民の利益確保戦略
はじめに
1 都市と農村の住宅市場と制度の変化
2 立ち退き補償をめぐる交渉過程
3 分散した利害関係と村民集団 —— 事例間比較
小 括
第5章 都市化のなかの村民委員会
—— 二元構造の変貌と社区・都市財政
はじめに
1 住民委員会と村民委員会 —— 都市農村の住民組織
2 住民組織の再編過程
3 村民委員会をめぐる都市農村の財政関係 —— 事例間比較
小 括
終 章 多元化する中国社会
1 都市化の利益をめぐる対立と協調
2 変革される都市農村関係 —— 中間地帯の生成
3 ポスト都市化の時代へ
参考文献
あとがき
図表一覧
索 引