学習指導要領は国民形成の設計書 その能力観と人間像の歴史的変遷
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-86163-147-4 C3037
奥付の初版発行年月:2010年06月 / 発売日:2010年07月中旬
教育の未来に向けて歴史的に見通す力を提供する、これが本書のねらいです。本書では、近代国家を建設した明治期から2010年現在まで、私たちの日本がどのような国民像を理想として教育してきたのか、学習指導要領の分析を通して明らかにしました。「ゆとり教育」は批判される意味での「ゆとり」ではなく、新しい時代を切り拓くための挑戦的な教育課程改革でした。日本は、「総合的な学習」を軸に教育課程の構造改革を進め、近隣諸国に大きな影響を与えています。日本が21世紀に輝くためには、改革の内実を創出することが今日的課題です。
目次
第1章 近代的人間像を目指して
-近代学校の創設と1872年小学教則-
第2章 新知識を有する儒教的人間像
-開発主義と儒教道徳の1881年小学校教則綱領-
第3章 天皇制下の忠君愛国の臣民像
-教育勅語と1891年小学校教則大綱-
第4章 民本主義の産業社会で実用的な公民像
-産業革命と1900年小学校令施工規則-
第5章 皇国の道へ「行」的錬成に励む皇民像
-軍国主義の1941年国民学校令-
第6章 第2次大戦後の民主主義社会を担う市民像
-経験主義の1947年・1951年学習指導要領-
第7章 経済復興に努力する勤勉な国民像
-系統主義の1958年・1960年改訂-
第8章 高度経済成長下、生産性の高い目的追求型の国民像
-構造主義の1968年・1969・970年改訂-
第9章 成熟社会で多様な価値観の国民像
-「ゆとり」志向の1977年改訂-
第10章 生涯学習社会を自己教育力で切り拓く国民像
-新学力観の1977年改訂-
第11章 不透明な情報化時代を生き抜く国民像
-「生きる力」志向の1998年・2003年年改訂-
第12章 グローバルな知識基盤社会で活躍する日本的市民像
-「活用能力」志向の2008年・2009年年改訂-