平家物語への羅針盤
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-86283-341-9 C1095
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月中旬
『平家物語』は一体、誰がどのようにして今日の姿に作り上げたのだろうか。研究者である著者がわかりやすく親しみやすい文体でまとめ、すべての読者を魅力ある時空間へ誘う羅針盤的文学旅案内。
武久 堅(タケヒサ ツヨシ)
武久 堅(たけひさ つよし)
1936年7月 芦屋市生まれ。
関西学院大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。
〈職 歴〉
広島女学院大学教授を経て、関西学院大学教授。
現在、関西学院大学名誉教授。
〈著 書〉
『平家物語成立過程考』桜楓社、1986年
『平家物語の全体像』和泉書院、1998年
『平家物語発生考』おうふう、1999年
『平家物語は何を語るか』和泉書院、2010年
『平家物語・木曽義仲の光芒』世界思想社、2012年
〈編著書〉
日本文学研究大成『平家物語I』国書刊行会、1990年
〈監修書〉
『クリアカラー国語便覧』数研出版、2001年
『保元物語六本対観表』和泉書院、2004年
『間違いだらけの日本語』実業之日本社、2004年
『中世軍記の展望台』和泉書院、2006年
目次
はじめに
第一章 『平家物語』の「発生」から「成立」「変容」まで
一 『平家物語』の「発生」
二 原『平家物語』の誕生
三 現存『平家物語』への道
四 『平家物語』の成熟
五 『平家物語』の方法
六 琵琶法師による「平家」というファミリーストーリーへの改編
七 『平家物語』の多様化
八 歴史解釈の知恵の宝庫『源平盛衰記』
第二章 『平家物語』の全体像──後白河院院政期の歴史文学として
一 『平家物語』の五つの魅力
二 あらまし
三 原典の構成
四 成立の時代
五 影響と価値
六 原典と参考書
七 作品の舞台
八 女性像
コラム 琵琶法師の「平曲」を類似した章段で束ねました
第三章 木曽義仲小論
一 「義仲像」を訪ねて
二 母親の一言が紡ぎ出す、義仲と乳兄弟の物語──「木曽最期」に、契りの美学を凝縮
三 「木曽最期」を語って、母親の「最後の一句」へ──「木曽最期」は語り尽くされているか
コラム 義仲幼年期の拠点「木曽の山下」とはどこか
第四章 『平家物語』の散歩道
一 平家重代の家臣「家貞・貞能」父子と侍大将「盛国・盛俊」父子
二 絵巻の中の後白河院とその近習たち
三 源平合戦の虚と実
第五章 『平家物語』の生き物たち
一 鱸
二 鷹
三 鶉・雲雀
四 馬
五 牛
六 山鳩
七 猿
八 ほととぎす
九 鷺・千鳥・雁
十 鵯
十一 鼬
十二 蛇
十三 鶏
十四 鹿
十五 いるか
十六 龍
第六章 建礼門院八百年
一 平家物語と諸記録にみる、建礼門院逝去の年月日について
二 「女院終焉の地」について
三 法皇の「大原御幸」の意図と成果(文治二年〈一一八六〉)
第七章 『平家物語』の旅人
一 寂光院巡礼記
二 『平家物語』の旅人──主役は、人物を浮かべて流れる、時の河である
年表
略系図
本書に引用の本文
参考図書
あとがき