大学出版部協会

 

現代アート10講

現代アート10講

A5判 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-86463-057-3 C3070
奥付の初版発行年月:2017年04月 / 発売日:2017年03月中旬

内容紹介

現代アートの入門書。ポップアート、抽象表現主義、ミニマリズム、コンセプチュアル・アートから、フェミニズム・アート、メディア・アート、写真、建築、工芸を包括し、ポスト3.11の美術まで、なぜそれが出現したのかを真剣に考えることによって、私たちの社会が抱える問題の本質がえぐり出される。いつの時代にも「現代アート」は存在する。アートは常に私たちの価値観を攪乱し、制度に揺さぶりをかけ、視座の見直しをせまるのだ。

著者プロフィール

田中正之(タナカ マサユキ)

田中正之(タナカ マサユキ)
1963年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。1990-95年ニューヨーク大学美術研究所に学ぶ。1996年より国立西洋美術館に勤務、「ピカソ、子供の世界」展(2000年)、「マティス」展(2004年)、「ムンク」展(2007年)などを企画。2007年より武蔵野美術大学に准教授として勤務、2009年より教授。2011年より15年まで同大学美術館・図書館館長。主な監著書・訳書に『アメリカ美術叢書I:創られる歴史、発見される風景』、『アメリカ美術叢書II:夢見るモダニティ、生きられる近代』(ありな書房、2016年)、ニール・コックス『キュビスム』(岩波書店、2003年)など。

松井 勝正(マツイ カツマサ)

松井 勝正(マツイ カツマサ)
多摩美術大学修士課程修了。多摩美術大学現代美術資料センター所員を経て現在、武蔵野美術大学、東京造形大学非常勤講師。専門は芸術学。主な論文に「瀧口修造のスケッチブック:批評的読解」(『多摩美術大学研究紀要』2004年)、「壁に書かれた暗号:バロックのインターフェイス」(『季刊インターコミュニケーション』2008年)など。

沢山 遼(サワヤマ リョウ)

沢山 遼(サワヤマ リョウ)
1982年生まれ。2005年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。近現代美術/美術批評。武蔵野美術大学、東京藝術大学、首都大学東京等非常勤講師。

橋本 梓(ハシモト アズサ)

橋本 梓(ハシモト アズサ)
1978年滋賀県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。2008 年より国立国際美術館に研究員として勤務。同館での主な企画展に「風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから」(2011年)、「〈私〉の解体へ:柏原えつとむの場合」(2012年)、「THE PLAY since 1967 まだ見ぬ流れの彼方へ」(2016年)、共同キュレーションによる「他人の時間」(2015年)など。共訳書にジョナサン・クレーリー『知覚の宙吊り』(平凡社、2005年)。

天野 知香(アマノ チカ)

天野 知香(アマノ チカ)
1959年生まれ。東京大学文学部美術史学科、同大学院修士、博士課程修了。パリ第一大学芸術考古学研究所博士課程留学。博士(文学)。現在お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系教授。専門はフランス近代美術史、フェミニズム美術史。主要著書・編著・論文に、『装飾/芸術―19-20世紀フランスにおける「芸術」の位相』(ブリュッケ、2001年)、「視覚『芸術』における身体―フェミニズムによる美術史の再検討」(竹村和子編、シリーズ ジェンダー研究のフロンティア第5巻『欲望・暴力のレジーム―揺らぐ表象/格闘する理論』作品社、2008年)、『西洋近代の都市と芸術3 パリII』(竹林舎、2015年)ほか。展覧会企画として「マティス」(国立西洋美術館、2004年)など。

畠中 実(ハタナカ ミノル)

畠中 実(ハタナカ ミノル)
1968年生まれ。多摩美術大学美術学部芸術学科卒業。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員。1996年よりICCに携わる。主な企画には「サウンド・アート」(2000年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「みえないちから」(2010年)、「[インターネット アート これから]」(2012年)など。ダムタイプ、ローリー・アンダーソン、八谷和彦、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンの個展など企画多数。

土屋 誠一(ツチヤ セイイチ)

土屋 誠一(ツチヤ セイイチ)
1975年生まれ。美術批評家・沖縄県立芸術大学准教授。専門は、近現代美術史、写真論。共著書に『実験場 1950s』(東京国立近代美術館、2012年)、『現代アートの巨匠』(美術出版社、2013年)、『現代アートの本当の学び方』(フィルムアート社、2014年)、『拡張する戦後美術』(小学館、2015年)など。

岡山 理香(オカヤマ リカ)

岡山 理香(オカヤマ リカ)
早稲田大学第一文学部史学科美術史専修卒業、武蔵野美術大学大学院造形学コース修了。武蔵工業大学専任講師、助教授を経て2009年より東京都市大学共通教育部准教授。近代建築・デザイン史。共著:『リレー講義 ポスト3.11を考える』(萌書房、2015年)、『美術の理論』(武蔵野美術大学通信教育部、2002年)ほか。論文:「建築家仰木魯堂の生涯とその作品について(1)」(2013年)、「伊福部昭邸 ゴジラの生まれた家」(2014年)、「東京物語 ブルーノ・タウト」(2016年)、「小田原における旧横井夜雨別邸・茶室廂庵の調査研究」(2016年)ほか。

木田 拓也(キダ タクヤ)

木田 拓也(キダ タクヤ)
1970年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、文学博士。東京国立近代美術館主任研究員(工芸館)。主な展覧会に「加藤土師萌」(1999年)、「昭和の桃山復興」(2002年)、「あかり:イサム・ノグチが作った光の彫刻」(2003年)、「日本のアール・ヌーヴォー」(2005年)、「越境する日本人」(2012年)、「東京オリンピック1964デザインプロジェクト」(2013年)、「大阪万博1970デザインプロジェクト」(2015年)ほか。著書に『工芸とナショナリズムの近代』(吉川弘文館、2014年)。

蔵屋 美香(クラヤ ミカ)

蔵屋 美香(クラヤ ミカ)
専門は明治期の洋画および今日の美術。東京国立近代美術館企画課長。主な展覧会に「ヴィデオを待ちながら―映像、60年代から今日へ」(東京国立近代美術館、三輪健仁と共同キュレーション、2009年)、「ぬぐ絵画―日本のヌード1880-1945」(同、2011-12年)、第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーション(アーティスト:田中功起、2013年)、「高松次郎ミステリーズ」(同、保坂健二朗・桝田倫広と共同キュレーション、2014-15年)、「藤田嗣治、全所蔵作品展示。」(同、2015年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

1 美術作品とそうでないもの――デュシャン、ポップ・アート、クーンズ 田中正之
2 メディウムの探求 ――ミニマリズムとポストミニマリズム 松井勝正
3 抽象表現主義と絵画、あるいは絵画以上のもの――ポロック、ニューマン、ロスコ 沢山 遼
4 コンセプトが前景化するとき――コスースから始める 橋本 梓
5 美術における身体表象とジェンダー――眼差しの権力とフェミニズム・アート 天野知香
6 アート&テクノロジーの様相――メディア・アート、マクルーハン、パイク 畠中 実
7 現代アートと写真 ――アプロプリエーションの時代からティルマンスまで  土屋誠一
8 現代建築を語るために――モダニズムと5つの建築をめぐって 岡山理香
9 現代工芸とデザインの地平――クレイワークとうつわ 木田拓也
10 ポスト3.11の美術――美術と社会はどう関わるべきか 蔵屋美香

参考文献
アーティスト・グループ/人名索引

関連書

『現代芸術論』(2002年、武蔵野美術大学出版局)


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