共進化する現代中国研究 -地域研究の新たなプラットフォーム-
価格:4,290円 (消費税:390円)
ISBN978-4-87259-394-5 C3022
奥付の初版発行年月:2012年03月 / 発売日:2012年03月上旬
「共進化」とは,相互に進化することによって自分
たちの環境が動的に変化し続け,その結果単独進
化に比してよりすぐれた行動を導くことができると
いう意味を含む.それぞれのディシプリンをもつ歴
史家など14名の研究者が継続的な対話を行い,
その成果を本書にまとめる.グローバル大国・中
国を,政治・経済・貿易や安全保障の面から論じ
る第一部と,モンゴルや台湾との関係で論じる第
二部,日本との関係で論じる第三部から成る.
目次
序章 歴史学と諸学との対話 (田中 仁)
第一部 グローバル大国・中国を透視する
1章 【社会の近代的再編]
交通システムと近代山東における経済貿易中心の転移 (江 沛:根岸智代訳)
2章 【権力の正統性】
1946年国民政治-憲法制定権力の正統性流出 (西村成雄)
3章 【躍進する経済】
グローバル化時代における中国経済空間の変容と東アジア分業体系 (許 衛東)
4章 【軍事的台頭】
中国軍の現状と日米同盟への見方-海軍および第二砲兵隊を中心に (竹内俊隆)
5章 【人間の安全保障】
中国の環境問題をどう捉えるべきか-サステイナビリティ学の実践的展開を目指して (三好恵真子)
第二部 周辺を見つめる
6章 【1920年代の内モンゴル】
郭道甫(メルセ)とその時代-1928年フルンボイル青年党蜂起を中心に (周 太平:田中剛訳)
7章 【1950年代の台湾】
戦後台琉関係の再構築-1957年前後を中心に (許 育銘:永野裕子)
8章 【エスニシティの境界と可塑性】
中国における「民族」論の今日的展開-「族群」の政治性・「民俗」の可塑性 (木村 自)
9章 【華僑・華人とローカルナレッジ】
漢族の民族知識と人間の安全保障-セブにおける北斗娘娘信仰をめぐって (宮原 暁)
第三部 日本の立ち位置を凝視する
10章 【戦争と社会】
日本傀儡政権・中国共産党根拠地の記念日と時間 (丸田孝志)
11章 【中国革命と日本】
ポスト革命時代の歴史叙述-革命の語り、戦争の記憶 (田中 仁)
12章 【文化の越境と相互浸透】
欧米および日本のロックに見みるチャイナ・インパクト-併せて、中国ロックに見る海外インパクト (青野繁治)
13章 【社会共助と交流】
配偶者との死別後の悲嘆ケアシステムを中国に構築するために (日野みどり)
14章 【国際関係と地域秩序】
東アジア地域秩序の変容-冷戦秩序から多国間主義の秩序へ (山田康博)
終章 21世紀東アジアにおける人間の安全保障構築に向けて (三好恵真子)