金森順次郎 第十三代大阪大学総長回顧録
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-87259-574-1 C3023
奥付の初版発行年月:2017年03月 / 発売日:2017年03月上旬
物性理論の世界的権威であり,大学行政等でも多大な功績を遺された金森順次郎第13代大阪大学総長の回顧録.本書は,ご自身の書かれた自伝「新・未知への群像」,「物の理を求めて60年」や総長時代の式辞・告辞,その顕彰に尽力された「適塾の遺産と学問のこれから」などから成り,様々な角度から先生の姿を映し出す記録であるとともに,学問に対する情熱,天才,感性,温かなお人柄をうかがい知ることができる一冊である.
目次
序文
第一章 新・未知への群像
1 恵まれた環境と垣間見た世間
父の追憶/嵐の前の平穏な日々/勤労動員
2 鎖なき魂を目指して
お二人の数学の先生/旧制高校入学/雑多な知識獲得
3 進路の選択
阪大理学部物理学科入学/物性理論研究を志すまで/永宮先生
4 研究スタイルの模索
理論研究の方向/物理と化学の間/研究の発展/就職と学位
5 国際社会へ
国際社会とのふれあい/アメリカ生活のスタート/結晶の自発変形
6 大学教員生活事始め
帰国前後/大学教員生活のスタート/電子相関の研究/教室改革
7 教授就任へ
ヨーロッパ生活/合金の研究/教授就任
8 理論研究室の運営
研究グループの結成/格子ガス模型の研究/電子構造の研究
9 大学紛争とその後
紛争と改革/釜洞総長と学生部長就任/平穏な生活への復帰
10 研究の発展
スレーター・ポーリング曲線/茅誠司先生と山路賞/物性と原子核
11 内外のいろいろな世話役
国際関係の仕事/谷口シンポジウム/理学部長
12 二足のわらじ
学部長の仕事と研究/佐川眞人氏の新磁石/総長就任と改革の基本路線
13 総長の六年とその後
大学運営/大学の発展/退任後の生活と総括的感想
第二章 物(もの)の理(り)を求めて六十年
1 志を立てた頃
2 磁性研究の始まり
3 合金の強磁性を中心にした研究の軌跡
4 NdFeB磁石との出会いとその後
第三章 式辞・告辞
平成四年度入学式告辞
平成五年度入学式告辞
平成五年度卒業式式辞﹁己の適とするところを適とする﹂
平成五年度大学院学位記授与式式辞
平成六年度入学式告辞﹁受け身でない生活の構築を﹂
平成六年度卒業式式辞﹁混迷は希望を生む﹂
平成六年度大学院学位記授与式式辞
平成七年度入学式告辞﹁大学生活で身につけること﹂
平成七年度卒業式式辞﹁二十一世紀への希望﹂
平成七年度大学院学位記授与式式辞
平成八年度入学式告辞﹁大学とは﹂
平成八年度卒業式式辞﹁大学生活の意義﹂
平成八年度大学院学位記授与式式辞
平成九年度入学式告辞﹁大学で学ぶこと﹂
第四章 新春を迎えて
平成六年/平成七年/平成八年/平成九年
第五章 適塾の遺産と学問のこれから
1 はじめに
2 自然科学の芽ばえ
3 適塾とその精神
4 福沢諭吉と自然科学
5 日本の自然科学の発展
6 学問のこれから
第六章 金森順次郎先生逝く―作文上の美学を追究するなかれ
前大阪大学総長金森順次郎博士功績調書
金森順次郎大阪大学第十三代総長略歴
初出一覧
あとがき
人名索引