オフィスガールの憂鬱 ギルギ、わたしたちのひとり
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-87354-624-7 C3097
奥付の初版発行年月:2016年03月 / 発売日:2016年03月上旬
1930年代ドイツのベストセラーが初翻訳!
時代が違っても女性が抱える問題に大差は無い――
母であること、女であること、仕事をすること。
共感? それとも嫌悪感??
すべての女性の本音が、この一冊に詰まっている。
「働きたいの、この先も。自立して誰にも頼らないでいたい」
ギルギは仕事も勉強も、遊びもきっちりこなすオフィスガール。
完璧だった日常が揺らぎ始めた、21歳の誕生日。
人は愛し合うと、不幸にしかならない?
ばかげて、愚かで、狂っている。
耐え難く甘い味が口の中に広がる。
まるで、めぐるめく思いはメリーゴーランドのよう。
1930年代ドイツでは、それまで女性の仕事とされてきた「家事」「育児」から離れ、敗戦後で男手が不足している労働力として「仕事」を持つように。
仕事をして古い価値観や伝統に縛られず「自立」をモットーに都会で輝こうとする様は、当時の若い女性から絶大な共感を得てベストセラーとなりました。
時代が違っても女性が抱える問題に大差は無い―
だからこそ、作品成立後80年経った今でも色あせることがありません。
恋愛、結婚、妊娠、仕事、生活…
すべてがうまくいくように願うのは、当然のこと。
昔も今も変わらない願望。
共感できる? それとも嫌悪感??
この感情をなんと表現したら・・・。
ぜひ読んでみて、あなたもこの感情を体験してみてください。
柏木 貴久子(カシワギ キクコ)
関西大学外国語学部教授。立教大学文学部ドイツ文学科卒業。ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生としてミュンヘン大学へ入学、同大学ドイツ文学科博士課程修了、博士号(Dr.phil
)取得。2011年より一年間アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨学研究員として、ボン大学にてワイマール共和国時代の都市文学を研究。専門はドイツ文学、ドイツ文化論。
イルムガルト・コイン(イルムガルト・コイン)
1905年ベルリン生まれ。デビュー作『ギルギ―わたしたちのひとり』(1931)、続く『人工シルクの女の子』(1932)でセンセーショナルな成功を収め、一躍人気作家となる。ナチス政権下では作品が公序良俗に反するとして禁書となり、1935年ドイツを去る。ベルギー、オランダ、フランス、アメリカでの亡命生活から『真夜中過ぎ』(1937)をはじめ数々の小説が誕生。1940年偽名を使って帰国。戦後出版した作品は注目されなかったが、1970年代後半、女性作家への関心が高まる社会状況のなか、再評価を受ける。1981年第一回マリー・ルイーゼ・フライサー賞を受賞。1982年、故郷ケルンにて死去。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
オフィスガールの憂鬱
-ギルギ、わたしたちのひとり
訳 注
訳者あとがき