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デフォーとイングランド啓蒙

プリミエ・コレクション 19
デフォーとイングランド啓蒙

A5判 330ページ
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-87698-217-2 C3310
奥付の初版発行年月:2012年06月 / 発売日:2012年06月下旬

内容紹介

『ロビンソン・クルーソー』の著者として旺盛な文筆を奮い,日本の経済史家にも多大な影響を与えたダニエル・デフォー。イングランドを重心の一つとするブリテンは,彼の生きた時代にヨーロッパ政治経済を左右する大国へと変貌を遂げた。それはどのように生じたのか。初期近代を時代背景におきつつ,事実認識に傾注した綿密な思想史学。

著者プロフィール

林 直樹 (ハヤシナオキ)

1982年 鳥取県生まれ
2005年 慶應義塾大学経済学部卒業
2010年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程学修認定退学
2011年 京都大学博士(経済学)
現在 京都大学大学院経済学研究科・関西大学・京都精華大学非常勤講師

専攻
社会思想史・経済学説史

業績
単著論文:Defoe and the Principle of Trade(The Kyoto Economic Review第79巻第1号),「デフォーと合邦のレトリック」(『経済学史研究』第53巻第1号)ほか
共訳:ライオネル・ロビンズ『一経済学者の自伝』(ミネルヴァ書房,2009年)ほか

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 デフォー研究と初期近代ブリテン社会思想
 Ⅰ デフォー評価の変遷
 Ⅱ 大塚久雄のデフォー研究
   1 デフォー『イングランド経済の構図』と局地的市場圏
   2 ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
   3 スミスの「見えざる手」
 Ⅲ 消費社会のヴィジョン
   1 ヒュームの連続的影響説
   2 商業革命という視座
 Ⅳ デフォーの商業論
   1 高賃金論
   2 イングランド製品の質的優位とその国際競争力
   3 小林昇の評価
   4 『完全なるイングランド商人』の改作
 Ⅴ 歴史内在的方法

第2章 デフォーと非国教徒学院
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 非国教徒学院の誕生
   1 伝統的教育制度の改革
   2 ホッブズの大学批判とスミス
   3 非国教徒学院の設立と展開
 Ⅲ デフォーとモートン
   1 「長老派信徒」デフォー
   2 モートンの非国教徒学院
   3 ウェズリの学院批判
   4 モートン『一論』
 Ⅳ デフォー『企業論』における商業と女性
   1 デフォーとフランクリン
   2 商業論
   3 英語教育論と軍事教育論
   4 女性教育論
 Ⅴ 結び

第3章 デフォーの社会思想(1698年—1701年)
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 財政金融革命
   1 土地税と公信用
   2 交易委員会
   3 貨幣改鋳論争
   4 財務府証券と国立土地銀行
 Ⅲ 常備軍論争
 Ⅳ ケント州請願
   1 下院と上院の対立
   2 ケント州請願事件
   3 デフォーの『権利』
 Ⅴ 結び

第4章 デフォーの社会思想(1702年—04年)
 Ⅰ 筆禍事件
   1 高教会派トーリの勢力伸張
   2 サシェヴェレルとレズリ
   3 『最も手間のかからない非国教徒対策』
   4 デフォーの便宜的国教会遵奉批判
   5 筆禍
 Ⅱ 商業の原理
   1 デフォーと穏健派トーリ政権
   2 高教会派の後退と付加動議
   3 マックワースの救貧法案
   4 『施しは慈善にあらず』
   5 『レヴュー』における救貧法案批判
   6 プロテスタントと商業
 Ⅲ 結び

第5章 デフォーと合邦のレトリック
 Ⅰ はじめに
   1 本章の目的
   2 デフォーとフレッチャー
 Ⅱ 『合邦史』の成立
 Ⅲ 『合邦史』の諸論説
 Ⅳ ダリエン計画をめぐって
 Ⅴ グレンコー事件と王位継承問題
 Ⅵ ウスター号事件が語るもの
 Ⅶ 外国人法の撤廃と「見えざる手」
 Ⅷ 結び

結びにかえて
 Ⅰ 国王観
 Ⅱ 蔵書
 Ⅲ 三位一体主義

あとがき
参考文献
関連地図
関連年表
事項索引
人名索引


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