生き物たちのつづれ織り[上] 多様性と普遍性が彩る生物模様
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-87698-242-4 C1045
奥付の初版発行年月:2012年08月 / 発売日:2012年08月下旬
脈々と連なる遺伝子の川を縦糸に、多様に枝分かれした生き物たちの関わり合いを横糸に、実験室とフィールドワークの成果が織りなす知のタペストリー。対象も手法も異なる多彩な研究の結びつきから浮かび上がってくる生物界の全体像を鮮やかに描き出す。上巻は、進化・繁殖・光の利用・コミュニケーション。
阿形 清和(アガタ キヨカズ)
京都大学大学院理学研究科生物物理学教室分子発生学研究室・教授
森 哲(モリ アキラ)
京都大学大学院理学研究科動物学教室動物行動学研究室・准教授
井上 敬(イノウエ タカシ)
京都大学大学院理学研究科植物学教室形態統御学研究室・講師
高井 正成(タカイ マサナル)
京都大学霊長類研究所進化系統研究部門系統発生分野・教授
高林 純示(タカバヤシ ジュンジ)
京都大学生態学研究センター陸域生物相互作用分野・教授
船山 典子(フナヤマ ノリコ)
京都大学大学院理学研究科生物物理学教室分子発生学研究室・准教授
村山 美穂(ムラヤマ ミホ)
京都大学野生動物研究センター人類進化科学研究部門・教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
まえがき [阿形清和]
第1章 ヒトへの道を遡る――生物進化の「節目」を求めて
1 縄文人の実像にせまる─安定同位体分析によるアプローチ [日下宗一郎・片山一道]
2 人類誕生の鍵をアフリカ大地溝帯で探す [中務真人]
3 ホヤの発生生物学 [佐藤ゆたか]
4 立襟鞭毛虫のゲノム情報から探る動物の多細胞化 [岩部直之]
5 細胞内共生体の戦略の進化─ゲノムの小型化かホストの操作か? [山内 淳]
コラム① 異分野交流の勧め [山﨑美紗子]
第2章 増えるための努力と技巧――性と繁殖の戦術
1 モリアオガエルの精子は回転力で前進する [武藤耕平・久保田洋]
2 花を愛で,生物の「性」を考える [酒井章子]
3 無性生殖のシダ植物も交雑したがっている? [篠原 渉]
4 やわらかな細胞―無性生殖の担い手 [篠原 渉]
コラム② 地上からは見えない多年草の生活史 [荒木希和子]
第3章 眼,光合成,体内時計――生物の光利用
1 光エネルギーをATP にするもう一つの反応 [鹿内利治]
2 植物の光応答とフィトクロム [長谷あきら]
3 生き物たちの時間の読み方,刻み方 [小山時隆]
4 多様な光環境への動物の適応メカニズム [七田芳則・山下高廣]
5 なぜヒトとサルの色覚は進化したのか? [早川祥子・正高信男]
コラム③ ちょっとの変化で十分 [菅原 亨]
第4章 「会話」をする動物,植物――コミュニケーション
1 イルカの音から彼らの生活を垣間見る [森阪匡通]
2 「歌」を歌うサル――テナガザルの多様な音声 [香田啓貴]
3 やわらかなゲノムを科学する [郷 康広]
4 植物たちのコミュニケーション [有村源一郎]
5 葉っぱのかおりの生態学 [高林純示]
コラム④ オニオオハシの秘密 [阿部秀明]
索 引