東洋史研究叢刊 63(新装版 1)
清代アヘン政策史の研究
価格:6,050円 (消費税:550円)
ISBN978-4-87698-520-3(4-87698-520-0) C3322
奥付の初版発行年月:2004年02月 / 発売日:2004年01月中旬
清代中国最大の脅威であったアヘン問題をめぐる政策史.従来の研究がアヘン戦争の前後に焦点を当てただけであったものを,問題発生の初期にまで遡って通史としての清代アヘン政策を検証する.しかもそれが,輸入禁止の「外禁」と国内での「内禁」に二分されていたとして,これをめぐる中央と地方(カントン)の官僚たちの対応を描く.
目次
序章
はじめに
第一節 イギリスの中国貿易
第二節 カントン体制
第一章 嘉慶期前半の「外禁」政策
はじめに
第一節 嘉慶四年の「外禁」
第二節 嘉慶十二年の「外禁」
第三節 嘉慶十四年の「外禁」
おわりに
第二章「外禁」優先と「カントン・アヘン」論の誕生
はじめに
第一節 「査禁鴉片煙章程」の制定
第二節 葉恒〓事件
第三節 包世臣と程含章のアヘン論議
おわりに
補論一 呉蘭修とカントン社会
はじめに
第一節 呉蘭修の経歴と学問
第二節 呉蘭修と両広総督阮元
第三節 呉蘭修と嘉慶末・道光初期のアヘン論議
おわりに
第三章 両広総督李鴻賓のアヘン政策論
はじめに
第一節 李鴻賓の「外禁」困難・「内禁」優先論
第二節 「内禁」優先論の挫折
おわりに
第四章 アヘン政策と「失察處分」問題
はじめに
第一節 問題の所在
第二節 『失察鴉片煙條例』の制定
第三節 アヘン戦争直前の「失察處分」問題
おわりに
第五章 アヘン「弛禁」論
はじめに
第一節 「弛禁」論の形成
第二節 「弛禁」上奏
おわりに
補論二 「嘉慶元(一七九六)年アヘン外禁」説辨誤
はじめに
第一節 「嘉慶元年アヘン外禁」説の不当性
第二節 「嘉慶元年アヘン外禁」説の成立過程
第三節 「嘉慶元年アヘン外禁」説の展開
おわりに
第六章 「アヘン吸引者死刑」論
はじめに
第一節 黄爵滋の「アヘン吸引者死刑」上奏
第二節 「アヘン吸引者死刑」論の本質
第三節 「アヘン吸引者死刑」論をめぐる論議
おわりに
終 章 「外禁」政策の断行
第一節 「アヘン吸引者死刑」論に対する林則徐の賛成上奏
第二節 欽差大臣林則徐のカントン派遣
清代アヘン政策略史
あとがき
索 引
中文提要
英文目次