ヘミングウェイと逸脱した身体 権力・棄却・ジェンダー
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-901734-82-0 C3098
奥付の初版発行年月:2022年01月 / 発売日:2022年02月中旬
なぜ、ヘミングウェイの描く妊婦は次々と死んでいくのか。数多くの傷病者を描くことでヘミングウェイは何を表現したかったのか。傷病に侵された登場人物たちは周縁的な描かれ方をされているものの、その陰画的存在はメイン・キャラクターを照射する極めて重要な役割を担っている。社会不安や権力への反発を投影する圧倒的な負の存在に着目しつつ、ヘミングウェイ・テクストの再読を試みる。
アメリカ文学を代表する作家アーネスト・ヘミングウェイの著作を、ジェンダー・セクシュアリティ、並びに身体論の観点から論じた著書です。
古谷 裕美(フルタニ ヒロミ)
略歴
関東学院大学専任講師
名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士後期課程修了、博士(文学)(名古屋大学、2018年)
専門はアメリカ文学、ジェンダー・セクシュアリティ研究
著書
『ヘミングウェイ大事典』(共著、勉誠出版、2012年)
主要論文
「『蝶々と戦車』における空間、身体、死者の魂―スペイン内乱に関するヘミングウェイの政治スタンス」日本ヘミングウェイ協会『ヘミングウェイ研究』第17号
「ヘミングウェイの描く病の女性―「異国にて」における復員兵の心の闇と欠如としての女性表象」日本ヘミングウェイ協会『ヘミングウェイ研究』第20号
目次
目次
序章
第一章 『日はまた昇る』における語り・視覚性・客体化
第二章 「キリマンジャロの雪」における腐敗・去勢・死
第三章 「神よ陽気に殿方を憩わしめたまえ」の切断された身体
第四章 「インディアン・キャンプ」における先住民妊婦の身体
第五章 『武器よさらば』における医学と権力
第六章 「アルプスの牧歌」における言説とセクシュアリティの構築
第七章 病んだ身体―「蝶々と戦車」における空間・身体・死者の魂
第八章 『エデンの園』における身体変容
結論
あとがき
註
引用文献一覧
索引