内容紹介
近世にいかなる変遷を朝廷は遂げたのか,職制や儀礼に着目し,江戸幕府との関係を結びながら独自の制度・機構を整備していく過程を明らかにする.一次史料を徹底的に分析し,朝廷と幕府の二者間対立の枠組みを越えて,国家・社会全体における集団として,近世的な実態を明らかにする.
目次
序章 課題と視角
第I部 近世初期の朝廷機構と江戸幕府
第1章 明正上皇の御所と江戸幕府
第2章 公家の知行・役料と家綱政権
第II部 近世朝廷機構の成立と上皇
第1章 仙洞御所機構の確立と霊元院
第2章 皇嗣付の職制と天皇・上皇
第3章 桜町上皇と朝廷運営
第4章 光格上皇御所における堂上公家の機構
第III部 擬古的職制の整備と朝廷儀式
第1章 近世朝廷の「院司」について
第2章 天皇・院の四方拝と「政務」
第3章 仙洞御所の施設と行事——「田植御覧」と鎮守
終章 近世朝廷の制度化と変容