内容紹介
浮世絵の祖として名高い菱川師宣.しかし,その画業の全体像はいまだ明らかにされていない.本書は,錦絵誕生までの初期浮世絵を,師宣を中心に解明する先駆的研究.初期鳥居派,杉村治兵衛,大森善清など,代表的な絵師の肉筆画や版画,またこの時期の浮世絵において重要な春画を詳細に分析する.カラー口絵6頁・図版170枚.
目次
序 章 初期浮世絵研究の現状と本書の視点
第一章 菱川師宣と菱川派
第一節 菱川師宣筆「北楼及び演劇図巻」の検討
第二節 菱川師宣および菱川派の得意の図様
第三節 菱川師宣の版画
第四節 菱川師宣版画作品目録
第五節 菱川師宣の春画
第六節 古山師重の枕絵組物
第七節 菱川派の版画・版本の制作と流通
第二章 杉村治兵衛、初期鳥居派とその周辺
第一節 杉村治兵衛の版画
第二節 評判記にみる初期鳥居派の様相
第三節 元禄期の鳥居清信と宝永期の鳥居清倍
第四節 鳥居清信の春画
第五節 画工近藤清春【付、近藤清信・近藤勝信】
第六節 京の絵師、大森善清