高等教育シリーズ159
アメリカの産学連携と学問的誠実性 関西学院大学研究叢書 第158編
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-472-40465-8 C3037
奥付の初版発行年月:2013年02月 / 発売日:2013年02月上旬
産学連携が活発に行われ、大学の研究成果が社会に還元される一方、大学に金もうけ主義がもたらされ、学問的誠実性が歪められてきている。産学連携の先進国アメリカにおける不正や捏造の実態を考察。不正行為や利益相反を減らしつつ便益を最大にするにはどのような方策・規制が有効かを考える。関西学院大学研究叢書第158編
目次
第1章 序論―問題の所在と背景―
1 本書の目的
2 アメリカのナショナル・イノベーション・システムと「社会的契約」
3 産学連携の推進
4 本書の構成
補論 医学研究のシステム
第2章 大学・資本主義・大学資本主義
1 実業界の影響力とテニュア制度
2 非営利財団の役割
3 オーリン財団
4 テニュア制度をめぐる議論
5 間接費
6 テニュア擁護論
7 「学問の自由」とテニュア
8 大学自身の変容
9 バイ・ドール法への陳情
10 産学連携と金もうけ主義
第3章 不正行為と不適切な行為
1 ピア・レビュー(同僚評価)制度の機能と限界
2 不正行為の歴史
3 議会の介入
4 ガイドラインと規制
5 不正行為と不適切な逸脱行為
6 不正行為の実態
7 名誉執筆者と架空執筆者
8 不正行為の防止策
9 秘匿主義
10 物理科学での不正
第4章 産学連携と利益相反問題
1 利益相反のタイプ
2 利益相反の事例
3 臨床試験と利益相反
4 製薬会社の営業活動と医師
5 医師生涯学習
6 諮問委員会と中立な科学者
7 学術雑誌での開示
8 臨床試験の一般医療機関の利用
第5章 利益相反問題への取り組み
1 利益相反の規制
2 組織的利益相反
3 製薬会社との関係の規制
4 NIHの研究者における利益相反
5 最近の規制
6 利益相反規制への反論
7 心理学的アプローチ
第6章 政府の関与と学問的誠実性の維持
1 産業界の圧力
2 事例研究
3 ブッシュ政権の反科学主義
4 議会保守派による圧力
5 政府の役割の憲法上の解釈
6 懐疑派の担い手と守秘義務
7 公的資金による研究の不正
8 被験者保護のポリシー
補論① Junk Scienceの起源
補論② 地球温暖化問題におけるレベールとゴア副大統領
第7章 総括とわが国への政策含意
1 本書のまとめ
2 わが国への含意
参考文献
あとがき
人名索引
事項索引