叢書・ウニベルシタス856
シネマ2*時間イメージ
価格:5,170円 (消費税:470円)
ISBN978-4-588-00856-6(4-588-00856-0) C1310
奥付の初版発行年月:2006年11月 / 発売日:2006年11月上旬
哲学者による単なる映画史・映画論ではなく、「映画に現れるかぎりでのイメージと記号の分類」の創造的な試み。映画芸術を思考することによって時間や運動をめぐる哲学の新たな概念を創出する。哲学と映画との唯一無二の出会いを記す書物であり、生、知覚、記憶、身体、言語、脳、集団、政治などのドゥルーズのあらゆる思考が多様に注入され、再編成され、結晶した現代の古典。
ジル・ドゥルーズ(ドゥルーズ ジル)
1925年生まれのフランスの哲学者。69年からパリ第八大学教授。哲学史を独自の仕方で読みかえるとともに、哲学本来のあり方を概念の創造に求め、構造主義以降の思想・芸術・文化に多大な影響を及ぼした。主な著書に、『ベルクソンの哲学』(1966)、『差異と反復』(68)、『スピノザと表現の問題』(68)、『意味の論理学』(69)、『プルーストとシーニュ』(64、70)、『感覚の論理』(81)、『シネマ』(2巻、83、85)、『襞──ライプニッツとバロック』(88)などがある。また精神分析家フェリックス・ガタリとの共著で『アンチ・オイディプス』(73)、『カフカ』(75)、『千のプラトー』(80)、『哲学とは何か』(91)などを刊行。1995年11月4日死去。
宇野 邦一(ウノ クニイチ)
1948年生まれ。京都大学文学部卒業後、パリ第八大学博士。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。著書:『D─死とイマージュ』(青土社)、『アルトー 思考と身体』(白水社)、『ドゥルーズ 流動の哲学』(講談社)、『破局と渦の考察』(岩波書店)、『〈単なる生〉の哲学』(平凡社)ほか。訳書:ドゥルーズ『フーコー』、『襞』、『千のプラトー』(共訳)ほか。
石原 陽一郎(イシハラ ヨウイチロウ)
1962年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程満期退学(フランス文学専攻)。立教大学、共立女子大学ほか非常勤講師。著書:『タッチで味わう映画の見方』(フィルムアート社)ほか。訳書:コフマン編『フロイト&ラカン事典』(共訳、弘文堂)ほか。
江澤 健一郎(エザワ ケンイチロウ)
1967年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程満期退学(フランス文学専攻)。博士(文学)(立教大学)。立教大学、法政大学ほか非常勤講師。著書:『ジョルジュ・バタイユの《不定形》の美学』(水声社)、訳書:バタイユ『聖なる陰謀──アセファル資料集』(共訳、ちくま学芸文庫)ほか。
大原 理志(オオハラ マサシ)
1966年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程満期退学(フランス文学専攻)。立教大学非常勤講師。
岡村 民夫(オカムラ タミオ)
1961年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程満期退学(フランス文学専攻)。法政大学教授。著書:『旅するニーチェ リゾートの哲学』(白水社)、『映画史を学ぶクリティカルワーズ』(共著、フィルムアート社)ほか。訳書:『デュラス、映画を語る』(みすず書房)ほか。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第1章 運動イメージを超えて
第2章 イメージと記号の再検討
第3章 回想から夢へ──第三のベルクソン注釈
第4章 時間の結晶
第5章 現在の諸先端と過去の諸層──第四のベルクソン注釈
第6章 偽なるものの力能
第7章 思考と映画
第8章 映画、身体と脳、思考
第9章 イメージの構成要素
第10章 結論
映画用語一覧
訳者あとがき
注・索引