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映画の存在論についての考察眼に映る世界

叢書・ウニベルシタス973
眼に映る世界 映画の存在論についての考察

四六判 382ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-588-00973-0 C1310
奥付の初版発行年月:2012年04月 / 発売日:2012年04月中旬

内容紹介

不在の「現実」をスクリーンに映し出し、一つの世界を魔術的に出現させる映画というメディアは、二十世紀の歴史と思考に何をもたらしてきたか。その物理的・技術的基盤に注目しつつ、絵画・写真・演劇とは異なる映画そのものの本質を、モダニズムの美学批判的眼差しのもとに探究した映画理論の古典。バザン以後の問いを受け継ぎ、ドゥルーズ『シネマ』と双璧をなす名著、待望の邦訳。

著者プロフィール

スタンリー・カヴェル(カヴェル,S.)

(Stanley Cavell)
1926年、アメリカ・ジョージア州アトランタに生まれる。47年、カリフォルニア大学バークリー校で文学士号取得(音楽専攻)。61年、ハーヴァード大学で博士号取得(哲学専攻)。63年より同大学哲学部で教鞭をとる。96-97年、アメリカ哲学会(東部支部)会長。97年よりハーヴァード大学哲学部名誉教授。特定の「学派」に属さず、日常言語の哲学、文学と文芸批評、美学、政治学、映画とオペラ研究などで、哲学の境界と精神を広げ、生活・文化・教育が意味するもののヴィジョンを追究している。『センス・オブ・ウォールデン』(法政大学出版局)、『哲学の〈声〉──デリダのオースティン批判論駁』、共著『〈動物のいのち〉と哲学』(春秋社)の邦訳があるほか、主著にMust We Mean What We Say?(1969); The Claim of Reason: Wittgenstein, Skepticism, Morality, and Tragedy(1979); Pursuits of Happiness: The Hollywood Comedy of Remarriage(1981); Disowning Knowledge in Seven Plays of Shakespeare(1987); Little Did I Know: Excerpts from Memory(2010)など。

石原 陽一郎(イシハラ ヨウイチロウ)

1962年生まれ。早稲田大学卒業、立教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学(フランス文学専攻)。立教大学、共立女子大学ほか非常勤講師。著書に『タッチで味わう映画の見方』、編著に『映画批評のリテラシー』ほか、訳書にウィルソン編『孤高の騎士 クリント・イーストウッド』(以上フィルムアート社)、コフマン編『フロイト&ラカン事典』(共訳、弘文堂)、ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』(共訳、法政大学出版局)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

増補版への序

1 仲間たちをめぐる自叙伝
2 視覚と音
3 写真とスクリーン
4 観客、俳優、スター
5 類型的人物、シリーズ、ジャンル
6 起源についての諸説
7 ボードレールと映画の神話
8 軍人と女性
9 ダンディ
10 神話の終焉
11 映画のメディウムとメディア
12 死すべきものとしての世界──絶対的年齢と若さ
13 全体性としての世界──カラー
14 自動性
15 余論──いくつかのモダニズム絵画
16 展示と自己言及
17 カメラの介入
18 テクニックの言明
19 沈黙の認知

続・眼に映る世界

〈訳者解説〉なぜ映画が哲学の問題たり得るのか?
原注
訳注
人名・作品名索引


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