国際社会人叢書1
国境を越えるヒューマニズム
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-588-05311-5 C1323
奥付の初版発行年月:2013年03月 / 発売日:2013年03月中旬
差別や暴力のない、平和で豊かな世界はどのようにつくられるのか。博愛と平等の精神を体現する知性および共感力によって、国家、民族、宗教や時代の壁を超えて敬愛される9人の近現代人──藤野厳九郎、中西伊之助、ラフカディオ・ハーン、ハリエット・タブマン、リゴベルタ・メンチュウ、杉原千畝、アンリ・デュナン、ルドビコ・ザメンホフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ──の生涯から学ぶ。
鈴木 靖(スズキ ヤスシ)
法政大学国際文化学部教授。1959年生。中国芸能・中国語専攻。共著『台湾百科』(大修館書店),『暮らしがわかるアジア読本 中国』(河出書房新社),論文「旗人の入関と漢族大衆芸能の受容」(『東京都立大学人文学報』第198号)ほか。
上記内容は本書刊行時のものです。■執筆者紹介(所属はいずれも法政大学国際文化学部)
鈴木 靖(スズキ ヤスシ) *編者
大石 智良(オオイシ チヨシ)
元教授。1941年生。中国文学専攻。著書『故事と成語』(さえら書房),訳書 戴厚英『ああ,人間よ』(サイマル出版会),論文「魯迅「狂人日記」覚え書き」(法政大学第一教養部『紀要』第99号)ほか。
高柳 俊男(タカヤナギ トシオ)
教授。1956年生。朝鮮近現代史・在日朝鮮人史専攻。共著『東京のなかの朝鮮』(明石書店),『東京のコリアン・タウン』(樹花舎),論文「渡日初期の尹学準──密航・法政大学・帰国事業」(『異文化〈論文編〉』第五号)ほか。
北 文美子(キタ フミコ)
教授 1968年生。アイルランド文学専攻。共著『ケルト 口承文化の水脈』,共訳『ケルティック・テキストを巡る』(以上,中央大学出版部),「アイルランドの絵本──『メロウ』と笑い」(『文学空間』第V期9号)ほか。
栩木 玲子(トチギ レイコ)
教授。1960年生。アメリカ文学・文化専攻。訳書ジョイス・キャロル・オーツ『とうもろこしの乙女,あるいは七つの悪夢』(河出書房新社),トマス・ピンチョン『L. A.ヴァイス』(共訳,新潮社)ほか。
大西 亮(オオニシ マコト)
准教授。1969年生。ラテンアメリカ文学専攻。論文「幻想から現実参加へ──コルタサルの短篇作品におけるテーマの変遷」(『ラテンアメリカ研究年報』第27号),訳書アナ・マリア・マトゥテ『北西の祭典』(現代企画室)ほか。
吉川 太惠子(ヨシカワ タエコ)
兼任講師。1953年生。文化人類学専攻。論文 “From a Refugee Camp to the Minnesota State Senate: A Case Study of a Hmong American Woman’s Challenge.”(Hmong Studies Journal),「時空を超える絆」(博士学位論文)ほか。
岡村 民夫(オカムラ タミオ)
教授。1961年生。表象文化論・ソシュール言語学専攻。著書『旅するニーチェ リゾートの哲学』(白水社),『イーハトーブ温泉学』(みすず書房),『柳田国男のスイス──渡欧体験と一国民俗学』(森話社)ほか。
内山 政春(ウチヤマ マサハル)
准教授。1965年生。朝鮮語学専攻。著書『しくみで学ぶ初級朝鮮語』(白水社),論文「「語基説」における「語幹」と「語基」」(『朝鮮半島のことばと社会 油谷幸利先生還暦記念論文集』明石書店)ほか。
佐藤 千登勢(サトウ チトセ)
准教授。ロシア文学専攻。著書『シクロフスキイ 規範の破壊者』(南雲堂フェニックス),『映画に学ぶロシア語』(東洋書店),共著『再考ロシア・フォルマリズム』(せりか書房)ほか。
目次
序 「国際社会人」をめざすあなたに (鈴木 靖)
第1章 藤野厳九郎(1874–1945)
歴史の〈ねじれ〉を越えた〈正気〉 (大石智良)
第2章 中西伊之助(1887–1958)
支配民族と被支配民族間の溝を乗り越える (高柳俊男)
第3章 ラフカディオ・ハーン(1850–1904)
西洋から東洋へ逍遥する知性 (北文美子)
第4章 ハリエット・タブマン(1820?–1913)
黒人たちのモーセ (栩木玲子)
第5章 リゴベルタ・メンチュウ(1959–)
政治的暴力に抗して (大西 亮)
第6章 杉原千畝(1900–1986)
六千人のユダヤ人を救った外交官 (吉川太惠子)
第7章 アンリ・デュナン(1828–1910)
情熱的博愛と国際志向 (岡村民夫)
第8章 ラザロ・ルドビコ・ザメンホフ(1859–1917)
人工言語エスペラントとことばの平等 (内山政春)
第9章 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927–2007)
良心の旋律 (佐藤千登勢)