サピエンティア17
「人間の安全保障」論 グローバル化と介入に関する考察
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-588-60317-4 C3330
奥付の初版発行年月:2011年03月 / 発売日:2011年03月下旬
古典的な安全保障は国家対国家の戦争に重点が置かれてきた。だが、今日、世界中で起きている紛争や飢餓を前にして、国家を中心とした安全保障観だけでは問題を捉えきれなくなった。本書は、国際関係論の碩学であり現状への洞察力も鋭い著者が、一人ひとりの人間の生存と安全な生活を国際社会全体が保障する安全保障観へのパラダイム転換について、コスモポリタニズムの思想から考察する。 【国際政治・安全保障論】
目次
日本語版への序文
謝 辞
序 論
第1章 人道的介入の10年(1991-2000年)
グローバル市民社会アクター
人道的介入の推移
グローバルな公的論争
2000年の介入――シエラレオネの事例
結 論
第2章 アメリカのパワー――強制からコスモポリタ二ズムへ?
変容したグローバルな状況
アメリカのパワーをめぐる構想
結 諭
第3章 ナショナリズムとグローバリゼーション
近大主義的なパラダイムを擁護する
現代のナショナリズム
コスモポリタンあるいはヨーロッパ主義の政治
結 論
第4章 バルカン諸国における介人――未完の学習過程
バルカン諸国における新しいナショナリズム
外部からの介人が果たす役割
第5章 グローバル市民社会という理念
市民社会の意味の変遷
市民社会の再創造
1990年代におけるグローバル市民社会
グローバル市民社会を批判する人びと
9月11日以後
第6章 正しい戦争と正しい平和
グローバルな文脈
正しい戦争という表現をなぜ変えねばならないのか
正しい平和
結 論
第7章 「人間の安全保障」
「人間の安全保障」の諸原則
政策にとっての意味合い
結 論
訳者あとがき
原註および訳註
牽 引