レンブラントの聖書
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-1204-8(4-7664-1204-4) C0070
奥付の初版発行年月:2005年11月 / 発売日:2005年11月上旬
レンブラントが作中に想いを込めた聖書解釈を、多くの図版と聖書の引用を用いて、丁寧に解説。人文主義者エラスムスらに養われたオランダの自由の精神--その下で培われたレンブラント独特の聖書理解と宗教画の真意、芸術思想を探る。
1930年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。文学博士。
1955年、慶應義塾大学文学部卒業。60年、同大大学院博士課程修了。美学・西洋美術史専攻。1965-66年バーゼル大学に留学。慶應義塾大学教授、東亜大学大学院教授を歴任。
著訳書に、ハインリヒ・ヴェルフリン『美術史の基礎概念』(慶應義塾大学出版会、2000年)、『ホルバイン 死の舞踏』(新版、岩崎美術社、1991 年)、『肖像画のイコノロジー——エラスムスの肖像の研究』(多賀出版、1987年)、『愛の庭——キリスト教美術探求』(日本基督教団出版局、1981 年)、『レンブラントのイエス伝——素描と銅版画による』(共著、新教出版社、1975年)、『ホルバイン』(岩崎美術社、1974年)などがある。
目次
Ⅰ 序章
レンブラントと聖書
レンブラントという人 レイデン大学 エラスムス 肖像画の人たちの宗派
レンブラントと聖書
Ⅱ 旧約聖書と新約聖書
アブラハムの話
女たちの闘い アブラハムの苦悶 荒れ野をさまようハガル イサクの誕生
アブラハムの犠牲
ヤコブのヨセフの話
アブラハムの後裔 ヤコブ ヨセフの少年時代 ヨセフの出世 ヤコブとヨセフの再会 母親たちの役割 後日譚
預言者の話
預言者モーセ 神の栄光 石の板を砕くモーセ モーセの顔が変わる ホレブ山のモーセとエリヤ 預言者エリシャの奇跡 ヨナの物語
ヴェロニカの話
ヴィア・ドロローサ=悲しみの道 レンブラントの構想 ヴェロニカ 聖女ヴェロニカの聖顔布 レンブラントの手本 アダムとエバ
死者の復活の話
ラザロの復活 マリアとマルタ 死者を生き返らせる預言者 終わりの日の復活 復活と裁き ダニエル書とレンブラント
放蕩息子の話
レンブラントと演劇 放蕩息子の譬え 説教をするキリスト レンブラントの風俗画
Ⅲ レンブラントの思想
ファウストの話
さまざまな題名 天文学者 天球儀と髑髏を描いた絵 占星術 エラスムス
レンブラントの風刺
聖ヒエロニムスの話
レンブラントの場合 ライオンの由来 聖ヒエロニムス図の成立 髑髏の出現
風景の中の聖ヒエロニムス デューラーとレンブラント
レンブラント略年譜
略号一覧
あとがき
挿図一覧
索引