ケンブリッジの卵 回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-1334-2 C40
奥付の初版発行年月:2007年07月
朝日新聞 2007年12月23日「読書」欄(11面)「書評委員 お薦め「今年の3点」」で紹介されました!
テレビ・ラジオで紹介されました!
10月 4日(木)19:00-21:00
日本テレビ「Science Project 「UFOvs世界の科学者100人」」
10月20日(土)17:30-17:45 文化放送「大村正樹のサイエンスキッズ」
10月27日(土)17:30-17:45 文化放送「大村正樹のサイエンスキッズ」
▼回る卵はなぜ立ち上がり、そしてジャンプするのか?! ——長年解けなかった、「立ち上がる回転ゆで卵」の謎をどのようにして解明したのか、「回転ゆで卵の飛び跳ね」という未知の現象をいかに発見し実証したのかを綴った発明発見物語。
▼物理学の聖地・英国のケンブリッジ大学での魅力的な研究活動と、英国留学の様子、日本と英国の違い、身近な物理学に秘められた謎についても紹介する。
▼著者のこの発見については、国内の全国紙はもとより、「タイムズ」など海外メディアにまで大きくとりあげられました。
▼コロンブスは知っていたのだろうか。
ゆで卵をテーブルに置いて速く回すと、卵はやがて立ち上がる。
碁石やラグビーボール、はたまたレモンやキーウィフルーツ等、楕円形の輪郭をもつ物体であればいかなる物でも同じようなことが起きる。
これらは一般に知られた現象であるが、重心が重力に抗して上昇する理由が解明できず、物理学の世界で長年の謎とされてきた。私は英国のケンブリッジ大学に研究留学中、このテーマについてキース・モファット教授と共同研究を行った。
その結果、回転が速い場合に、運動中一定の値をとる量が一般的に存在することを発見し、この運動を表す方程式の解を得ることに成功した。
その後研究はさらに進展し、新たなメンバーを加えて未知の現象を理論的に予測した。高速で回すと、卵はテーブルからひとりでにジャンプするという現象の予測である。そして、この信じがたい現象を慶應義塾大学の同僚と一緒に日本で実証することができた。高速で回る卵はきわめて小さなジャンプを繰り返しながら立ち上がるのである。
本書は、物理学の聖地であるケンブリッジ大学と私の所属する慶應義塾大学における研究の物語である。 (冒頭より)
下村裕(しもむら ゆたか)
慶應義塾大学法学部教授。理学博士。1989 年東京大学大学院理学系研究科(物理学専攻)博士課程修了。東京大学理学部助手, 慶應義塾大学法学部専任講師,同助教授を経て, 2000 年より現職。主な研究分野は力学。2006 年より慶應義塾志木高等学校校長を兼務。著書に『演習 力学[新訂版]』(共著, サイエンス社, 2006年)がある。
目次
Preface——序文
プロローグ 『ネイチャー』二〇〇二年イースター号
第一章 物理学百年の謎
ケンブリッジ留学/コレッジ/渡英/工学部/留学一年目/モファット教授との出会い/オープン・クエスチョン/倒れないコマ
第二章 謎との格闘
共同研究開始/ニュートン研究所/一〇〇ページの計算ノート/立たない卵/卵の形/サファリパークの卵/最後の可能性/ゆっくり回すと立ち上がる?
第三章 英国と日本
英国と日本の初等教育/身近な自然を楽しむ感性
第四章